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AIを活用したジャガイモ栽培支援およびサプライチェーンの効率化を手掛ける「簡耘科技(Jianyun Technology)」はこのほど、新たに約1000万元(約1億5000万円)を調達した。出資者は、今年初めのエンジェルラウンドに続いて「甲子啓航資本(Topsailing Capital)」。調達した資金は主に作物データ取得技術の高度化、AIのアルゴリズムの更新、サプライチェーンの技術プラットフォームの構築などに充てる。
同社では最適なジャガイモ栽培のためのデータを提供している。今年、独自開発したジャガイモ生長管理システム「耕簡単(Geng Jiandan)」を活用してAIモデルを作成し、実際に30万ムー(約2万ヘクタール)以上のジャガイモ畑に応用して約1億件の栽培データを取得した。そのうち、作物と土壌養分のデータは約10万件、ジャガイモの生長写真は約100万枚、マルチスペクトルデータは1000件以上になり、最終的にジャガイモ約135万トン分のデータを市場に提供した。
同社のサービスを利用した農業機関は市場規模や販売能力が約2倍になり、新規顧客の獲得率は20%上昇した。また、灌漑に関して耕簡単のアドバイスに従っただけで1ムー(約0.1ヘクタール)あたりの収穫量が前年より500キロ以上増加したという農家もいる。
次の段階では、AIモデルの精度を上げ、リカレントニューラルネットワークおよび敵対的生成ネットワークのアルゴリズムの最適化によりモデルの効果を上げる。同時に、ドローンのリモート・センシングとスペクトル技術を活用してモデルが網羅するリアルタイム指標を増やし、異なる品種のジャガイモに関してもさまざまな情報をリアルタイムで提供する予定だ。収穫段階では、VR技術の応用を進め、ジャガイモの流通や貯蔵についてデジタルアーカイブを作成するとともに、規格化によりサプライチェーンを効率化させる。
このほか、同社では蓄積したデータを基にジャガイモ商品の規格を統一して流通の効率化を図る。また、ジャガイモ生長過程のデータおよび品質データの活用により最適な貯蔵方法を提案する計画だ。
ジャガイモはすでに生産から販売まで高度に成熟した産業チェーンがあり、さらに中国では生産の機械化が高度に進んだ商品作物の一つだ。しかし、データに基づく精密な栽培および栽培支援の分野においては技術とインフラが整っていなかった。簡耘は業界のこの悩みに気づき、ジャガイモ栽培に特化することにした。
同社創業者の崔静波氏は8年のマネジメントコンサルティングの経験のほか、農業分野で起業し、農業用物資の生産、流通、農作物の栽培、農産物の流通や農業のインターネット利用における10年の経験がある。同社の主要メンバーにはジャガイモ疫病など植物の病害の流行、予測や予防を20年研究している専門家や、ジャガイモの作物保護に14年間携わっているメンバーもいる。(翻訳・二胡)
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