海外市場進出に向けて、Snapがサウジアラビア王子から2.5億米ドル獲得
更新
今週火曜日(2018年8月7日)、サウジアラビア王子のAlwaleed bin Talal(アル=ワリード・ビン・タラール)は「自動消滅系」ソーシャルアプリSnapchat の親会社Snapに 2.5億米ドル(約280億円)投資を行い、SnapのA種株式の2.3%を獲得したことを発表した。
同火曜日、Snapは今年度第2四半期の財務報告を発表した。営業収入は2.62億米ドル、前年比44%の増加、純損失は3.53億米ドル、昨年の同時期の4.43億米ドルと比較し20%の減少。しかし、Snapchatのデイリーアクティブユーザ数は第1四半期の1.91億から1.88億へと減少、これは2011年にSnapchatが登場して以来、初めての四半期ユーザー数減少となる。この悲喜こもごもは決算後の株価にも衝撃を与えた。そして、この時点でAlwaleed bin TalalがTwitterで今回の投資を発表した。
Snapからすれば、この投資はSnapにキャッシュフローをもたらしただけでなく、戦略面においても重要な意味を持つ。近年、SnapchatはFacebook傘下のMessenger、Snapchat、Whatsappといった三つのアプリケーションとの競争を余儀なくされ、ユーザー数が追い抜かれるだけでなく、ユーザ増加率も追いかける状態となっている。これらの危機に直面したことにより、Snapは二つの戦略に重点を置いた。一つ目に、既存事業の収益チャネル拡大、二つ目に、海外事業の拡大といった
収益チャネルの拡大
Snapの新CFO Tim Stone(ティム・ストーン)は火曜日の電話会議の中で、Snapは既存の製品の全ての機能に変化をもたらす方法を探ることを表明した。現在のSnapchatのアクションには、ブランド固有のARフィルタの追加、3秒間の広告の強制、広告主の自主管理システム、視覚捜査による電子ビジネスなどがある。
しかし、一つの成熟している収益チャネルの検証には多大な時間を要するが、2.5億米ドルもの資金はSnapchatに多くの時間を与えることが出来る。
海外市場の拡張
設立初期、Snapchatは北米とヨーロッパ以外の海外市場を持っていなかった。特に発展途上国は優先順位を高く置いていた。発展途上国ではiOSよりもAndroidのカバレッジが高かったが、SnapchatのAndroidアプリで頻繁に起きたバグは、Snapが発展途上国という市場を重視していないことをある程度反映するものとなった。
こうした結果が莫大な潜在的なユーザを手放すことに繋がった。怠慢な対応はSnapchatがデイリーアクティブユーザーの流失を食い止める力をさらに失わせることとなった。対照的に、Facebookは北米市場で発生したユーザ流出問題に直面していたが、アジアとアフリカの市場に対して、ユーザ数の増加をけん引することが出来る。
今日のSnapは、今一度見落としていた市場を整理する必要がある。そして、これからの市場の可能性を探る必要がある。第2四半期では、北米・欧州以外のユーザ数が前年比12%増となり、世界的に7%の増加がみられた。北米・欧州以外のユーザの四半期平均収益(ARPU,1ユーザ当たりの平均収益)は0.96米ドルで、前年比233%増、世界的にも34%増加となった。
今回のサウジアラビア王室からの投資は、Snapchatが中東市場に参入するためのサポートの一環かもしれない。地元企業との協力関係の確立を通じて、Snapchatはいち早く不慣れな市場の需要を取得する機会を得ることが出来、収益チャネルの拡大を目指せるものとなるだろう。

Al-Waleed王子にとっては、2.5億米ドルでSnapの株式を2.3%得ることが出来、悪い取引ではないかもしれない。この価格は一株当たり11米ドルで計算されており、Snapの市場価値から14億米ドルを保有したことになる。この二つの数字は、火曜日の終値の一株当たり13.10米ドル、市場価値17億米ドルよりも遥かに低い価格となっている。Al-Waleed王子からの発表では今年5月25日に確定されたとされている。
サウジアラビア王室のアイデンティティの外では、Al-Waleed王子は豊富に経験を持つ一人の投資家である。現在、彼の個人的な投資先にはLyft、Twitter、ヨーロッパの音楽ストリーミングサービスのDeezerや京東(ジンドン)などが含まれている。彼は以前に新聞集団や花旗集団の株も保有している。