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中国家電協会が運営する情報サイト「中国家電網」が発表した『2021年掃除ロボット市場発展白書』(以下「白書」と略称)によると、中国は世界最大の掃除ロボット市場に成長し、現在も爆発的な成長を続けている。当該業界には「石頭科技(Roborock)」、「科沃斯(Ecovacs Robotics)」のような上場を果たしたスタートアップもある。これらの企業の昨年の業績はともに好調で、株価は高騰している。
白書のデータによると、この市場を支えているのは20〜30代の若年層である。白書がこうした消費者820名にアンケートを行ったところ、62.8%が「掃除ロボットは必要」と答えた。製品の評価については、18.7%の消費者が数回使っただけで使わなくなったと答えたが、購入時期が遅ければ遅いほど、この比率は下がっている。特に2020年に購入した消費者ではほとんどが使い勝手がいいと答えた。評価がさらに向上し、値段がより安くなれば、掃除ロボットが都市部に住む若者にとって欠かせない家電となる可能性もある。
掃除ロボット市場の急成長と現在地
掃除ロボットは中国市場での販売開始からまだ10年しか経っていないが、驚くべき成長を果たした。2013〜2018年にかけて、掃除ロボット市場の年平均成長率は58%以上に達し、家電のなかで最も高い数値となっている。
2019年は中国の景気低迷を受け、掃除ロボット市場は前年比で7.6%縮小し、売上高は8.7%減少した。しかし、2020年の新型コロナによる巣ごもり需要で、掃除ロボットの売上高は前年比で19.1%増えた。EC大手の「京東(JD.com)」の集計によると、2020年2月から12月までで、同社のECでの掃除ロボットの売上高は32%増え、最も人気の高い家電の一つとなっている。
市場の急成長とともに、トップ企業の陣営が固まりつつある。掃除ロボットのオンライン売上トップ3は科沃斯、シャオミ、石頭科技であり、3社で69.1%のシェアを占める。特に科沃斯は、売上高ベースで見ればオンラインで43.8%、オフラインで80%のシェアと、絶対的な優位を誇っている。
こうした企業の強みを支えているのが開発力と特許による技術ハードルだ。独自技術を持たない企業の製品は、上位3社の使い勝手に遠く及ばないのが現状である。それでも期待できる企業を挙げるとすれば、オフライン市場での販売チャネルに強みを持つ「美的(Midea)」、「格力(GREE)」など家電大手となるだろう。若者はオンラインでの購入を好むため、こうした企業は強みを活かせないが、今後より幅広い消費者に掃除ロボットの利便性が認められ、消費者層が拡大すれば、オフラインで巻き返しを図ることは不可能ではない。
原作者:雷科技(WeChat ID:leitech)
(翻訳・小六)
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