株価下落止まらぬ京東、時価総額3兆円目減り。新興EC拼多多の台頭許す

京東集団(JD.com)の株価下落が止まらない。有力株主が株式の持ち高を減らし、モルガン・スタンレーは目標株価を30%引き下げた。

京東の創業者、劉強東CEOが米国で一時拘束され、2日間で時価総額が72億ドル(約8100億円)目減りしたが、実はその前から同社の株価下落は始まっていた。前四半期には654億ドル(約7兆4000億円)だった時価総額は現在372億ドル(約4兆2000億円)と、日本円にして約3兆円減っている。

中国EC大手のアリババと京東の上場後4年間の株価を見ると、アリババの成長率が終始京東を上回っている。海外拡大、新小売の展開の両方で、アリババがリードした結果だ。

さらに、京東が開拓していた地方都市や農村市場で、EC新勢力の拼多多(Pinduoduo)が台頭し、京東のシェアを削り始めた。

拼多多は微信(WeChat)で顧客を獲得し、安物を大量に売った。「高品質、高級品」を手掛ける京東は、中国市場の多様なニーズとローエンド市場に目を向けなかった。

京東関係者は、「安さを前面に押し出す拼多多と、消費のグレードアップを信じる京東は、そもそも土俵が違う」と言うが、京東元幹部は「京東より安く、効率が高い企業が現れたら、大番狂わせは起こりうる。だが、人はよく分からない『新種』に遭遇すると、否定したり無視したりするものだ」と指摘した。

拼多多は「偽物市場」と揶揄されてきたが、同社が突然、中国IT大手網易(ネットイース)傘下のECサイト「網易厳選」との提携を発表すると、市場価値は瞬く間に30%上昇した。

拼多多は2016年にはすでに、無視できない存在に成長していたが、京東がそれに気づくのは遅かった。拼多多は2016年、騰訊(テンセント)を含む多くの企業から出資を受け、2017年には広告を大量投入した。同年後半、拼多多の取引数は京東を上回った。

拼多多には粗悪品や偽物があふれかえっており、ハイエンド消費者には軽んじられてきた。だが、網易厳選との提携によって、ポジショニングが変わる可能性は大きい。

京東は長年、物流システムの構築に巨費を投じ、手厚い待遇で配送員を雇用してきた。アリババも京東に学び、物流プラットフォーム「菜鳥網絡」を設立した。しかし今、遅れてやってきた拼多多に猛追されている。京東が大きなミスを犯したわけではないが、環境の急激な変化で、京東が新旧のライバルに包囲されているのは間違いない。
(翻訳・浦上早苗)

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