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家電量販から発展した小売り大手「蘇寧易購(Suning.com)」が5日、経営立て直しに向け本拠地の江蘇省および南京市が組成したファンドから出資を受けると発表した。同ファンドにはアリババグループや家電大手ハイアール、TCL、美的(Midea)やスマートフォン大手シャオミ(Xiaomi)なども出資し、資金の規模は88億3000万元(約1500億円)。同ファンドが蘇寧の株式の16.96%を取得すると、蘇寧は支配株主および実質的支配者が不在となる。
蘇寧の発表によると、江蘇省および南京市の国有資産監督管理委員会が共同で組成するファンド「江蘇新新零售創新基金(第二期)」は蘇寧に戦略的出資を行うとともに省内の各金融機関と連携をとり、蘇寧の与信限度を妥当な水準に見直す。また、第2位株主であるアリババ傘下「淘宝軟件(Taobao Software)」の持ち株比率は19.99%で変わらないが、アリババグループが今回のファンドに出資しているため、同グループの持株は蘇寧創業者で支配株主だった張近東氏を超える可能性も浮上した。
蘇寧は同時に今年上半期の業績も発表し、25〜32億元(約420〜540億円)の赤字であることがわかった。昨年上半期の1億6700万元の赤字(約28億円)から大きく拡大している。
蘇寧は業績不振や資金繰りの悪化を理由に過去数カ月、複数回にわたって深圳証券取引所に売買停止を申請してきた。先月16日には、実質的経営権を有する支配株主の張近東氏および主要株主である蘇寧電器集団から、株式譲渡に関わる重要な通知を受けたと発表した。蘇寧からの申請を受け、同社の株式は同月23日から一時売買停止となった。
蘇寧はこれまで業界のトップ3に幾度も食い込んだが、近年は戦略ミスが目立つ。複数の新規事業が失敗に終わり、過度に保守的になり市場競争に負けるなど巨額の赤字から抜け出せない状態にある。
(翻訳・愛玉)
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