中国EC大手「京東」、劉強東CEOの「後継」が総裁昇格の真意

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中国Eコマース2位の京東集団(JD.com)は6日、リテール事業の徐雷CEOがグループ総裁に昇格すると発表した。リテール事業の後任CEOには、ヘルスケア事業「京東健康(JD Health)」の辛利軍CEOが就く。また、京東健康のCEOには、同医薬事業部を統括してきた金恩林氏が昇格する。

徐雷氏は総裁就任後、グループ各事業の通常運営と協力関係を指揮し、グループCEOの劉強東氏の直属となる。劉CEOは多くの権限を移譲するが、事実上の院政を敷く。中核事業のマネジメント業務の一線は徐氏に任せ、より多くの時間を長期戦略や若手CEOの育成、農村振興事業に充てるという。

徐雷氏は京東の「古参」だ。入社前にはレノボ、「好耶広告網絡(Allyes Online Media)」などでマーケティングに従事してきた。2007年1月に京東のマーケティング部顧問となり、2009年1月に正式に入社している。以来、ECモール「京東商城」マーケティング部責任者、同マーケティングプラットフォームのシステム責任者、無線事業部責任者など多くの職位に就いた。

徐雷氏(画像提供:京東公式ウェイボ)

さらに、徐氏は「出戻り」組でもある。過去に一度京東を退社し、ファッションEC「優購網(YOUGOU)」のCMOを務めた時期もある。

劉CEOは2013年、京東が1年の「休養期間」に入ると宣言。同年、将来戦略を大幅に練り直した。この時期に京東を離れていた徐雷氏が復帰し、リテール事業の拡大と急成長に伴走することになった。この数年、徐氏が指揮を執った多くの事業が好成績を達成し、劉CEOも同氏への信頼を強めている。

徐氏は2018年7月、京東リテール事業の輪番CEOに就任した。同年、劉CEOが性的暴行の嫌疑をかけられるという醜聞に見舞われたほか、Eコマース業界のボーナスステージも終わりを迎え、京東はライバルの「タオバオ(淘宝網)」や「拼多多(Pinduoduo)」との戦いを余儀なくされた。株価は公開価格に迫るほど下落し、売上高の成長も鈍化し、アクティブユーザー数は初めて減少に転じた。京東の「暗黒時代」が始まった。

同時期、徐氏はリテール事業の組織再編を指揮し、ECモールをフロントオフィス・ミドルオフィス・バックオフィスの三つに区分した。さらに、ネットスーパー事業「京東超市」も、小売業インフラのサービスプロバイダーへと転換させている。

農村部での事業拡大を進める京東(画像提供:京東公式ウェイボ)

京東の株価はこのところ好調だ。今年2月には過去最高の100ドル(約1万1000円)を突破し、今月7日時点では79.85ドル(約8800円)で時価総額1239億ドル(約13兆6100億円)となっている。

京東が先日、香港証券取引所に提出した文書によると、リウCEOは現在も京東集団第2の株主で、持ち株比率は13.9%、議決権は76.9%、拒否権も有している。

作者:WeChat公式アカウント「連線Insight(ID:lxinsight)」、鍾微
(翻訳・愛玉)

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