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ゲームエンジン及び各種開発ツールを提供する「Cocos(雅基軟件)」がシリーズAの資金調達を終えた。同社は1億2000万ドル(約137億円)の評価額となった。本案件は景林投資(Greenwoods Investment)が主導、一粟資本(Yisu Capital)、プレシリーズAで出資した賽富基金(SAIF Partners)も参加した。財務顧問を務めたのは華興 Alpha。
今回調達した資金を元に、Cocosはゲーム開発ツールの統一パッケージ「Cocos Creator」、ミニゲーム(容量が小さく、簡単に遊べるゲーム)向けゲームエンジン「Cocos Runtime」の最適化を進めるとともに、より多くのゲーム開発者にサービスを提供する。同時に、同社はミニゲーム産業のエコシステム整備に注力し、ツールも体系化する。
2011年に創業したCocosの初のゲームエンジンは2010年にリリースされた。2012年に触控科技(Chukong Technologies)に買収された後、急速に業容が拡大し、ゲームエンジン、編集ソフト、データ統合関連の製品などを開発した。2016年にリリースしたCocos Creatorでは H5、iOS、Androidなど様々なプラットフォームに対応した。2017年末に同社は触控科技から独立して新会社となり、プレシリーズA、シリーズAと資金調達を行った。
同分野での先駆者であり、また、対応プラットフォームも多かったことから、Cocosは多くの技術の蓄積に成功。現在、国内のモバイル向けゲームエンジン市場では45%を占め、米Unity(ユニティ・テクノロジーズ)の先をゆく。グローバル市場でもUnityに次ぐ30%のシェアを誇る。
ゲーム市場調査会社「アラジン統計プラットフォーム」が発表した9月のミニプログラム・ランキングによると、トップ100圏内にミニゲーム35タイトルがランクインしているが、その約半数がCocosのゲームエンジンで開発されたものだ。また、フェイスブックのインスタントゲーム月間アクティブユーザー・トップ50では、Cocosのものが30%を占め、こちらは世界1位となっている。
Cocosのゲームエンジンは世界203の国と地域で130万人のゲーム開発者が利用している。6億人ものユーザーを抱える人気ミニゲーム「Fishing Joy2」「ソウルクラッシュ」「Legend of Mir」もCocosによって開発されたものだ。
Cocos董事長の陳昊芝氏は、「Cocos Runtimeの技術ソリューションが多くのプラットフォームにミニゲームの運営環境を提供している。微信(WeChat)のミニゲームに注力するほか、フェイスブックやグーグル、硬核手機聯盟(Mobile Hardcore Alliance、MHA)などと長期の技術サポート、コンテンツ供給で契約済みだ」と述べている。
陳昊芝氏は、テック系企業の創業、運営、管理で20年以上の経験を有する。アマゾン中国の前身「Joyo.com(卓越)」、自動車取引プラットフォーム「愛卡汽車網(XCAR.COM.CN)」、デジタル製品取引プラットフォーム「IT168」、古美術品オークションプラットフォーム「盛世収蔵(sssc.cn)」、翻訳者マッチングプラットフォーム「譯言網(yeeyan.org)」などの立ち上げにも携わった。Cocos創業者でCEOの王哲氏は、南京大学の電子工学科卒業後、アモイ大学大学院で経営科学を修めた。
(翻訳・飯塚竜二)
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