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12月13日、台湾の半導体メーカー「メディアテック(聯發科技)」は、次世代のAIチップ「Helio P90」シリーズを発表した。第一世代の「P60」からわずか9か月でのリリースだが、性能が大きく向上したという。
処理速度は4倍、消費電力は半分に
Helio P90は新しいAPU (AI Processing Unit) 2.0を採用。 AIの処理性能は1.1T Macsと、第一世代APUの4倍の速さでありながら消費電力は半分になっている。APUのほか、CPUとGPU、Wi-Fiなどその他の機能もアップグレードされた。
また、開発者をサポートする開発ツールキットをリリースしたことも注目される。AndroidのニューラルネットワークAPIをサポートし、APU/GPU/CPUを必要に応じて切り替えられる。開発者がパフォーマンス、電力消費、メモリなどをシステムレベルで最適化するのに役立つという。
Helio P90の性能はすでに業界トップのレベルにある。では、メディアテックはP90をどのように位置づけようとしているのか。
「ニューハイエンド」、AIカメラを狙う
同社の第3四半期決算報告によると、今年3月に発売されたP60のヒットで、売上高は過去最高の670億台湾ドル(約2400億円)に達した。中国スマホブランドで第3四半期の売り上げ1位と2位を占めたフラッグシップモデル、OPPO「R15」やVivo「X21i」などはP60を使用している。
メディアテック総経理の陳冠州氏は「P90の位置づけは『ニューハイエンド』。 ユーザーに、より効率的で高度な体験を提供することだ。スマホ以外のメーカーとも協力する考えがある」と語った。
この日の発表会ではP90の発表のほか、Google AIカメラ事業部のプロダクトマネージャー、マイクロソフト・リサーチアジア副所長、人気ゲーム「王者栄耀」のテクニカルディレクターらが講演を行ったほか、メイン会場横のホールでは、P90を使用した複数のデモンストレーションが行われた。
これらのデモは、いずれもモバイル機器のAIカメラへの応用例。リアルタイムジェスチャー識別(毎秒50フレーム、最大5人を識別)やリアルタイム3D単一ジェスチャートラッキング(VRキャラクターやロボットのジェスチャーコントロール)、フェイストラッキング、マルチオブジェクト認識、ダイナミックレンジ拡張、AIノイズキャンセリングなどが披露された。
同社は、さらに3D体感ゲーム、3D試着室などAR/VR製品も実現できるとしている。P90は2019年第1四半期中に出荷される見込みだ。
(翻訳・神江乃緒)
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