ニューリテール「合包弾」は営業担当者をシェアして効率化

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「A1食品科技(A1 Food)」が創設した「合包弾(Hebaodan)」は、S2B2C(供給者→事業者→消費者)のニューリテールプラットフォームだ。

例えば、スナック類は定番化するほど利益率が固定化されていくため、ナショナルブランドは次々に新製品を投入する。一方、新しいブランドの新製品は末端の小規模店に届きにくい。

ところが、日用消費財B2Bプラットフォームは、新製品を店舗に導入させることができない。従来のメーカーの営業担当者の存在価値を否定してきたからだ。外回りが多く管理が難しいことや、人件費の上昇などから営業担当者を廃止することは合理的にも思われるが、実際には、末端の店舗に新製品を導入させたり、販促させたりするには、営業担当者の力が必須だ。

約20年間の小売経験があるA1食品の董事長兼CEOの周煒平氏は、B2Bモデルの分析に基づいて、投資会社「今日資本(Capital Today)」および「德屹資本(DYEE Capital)」と共同で合包弾を立ち上げた。2018年7月に正式にプラットフォームの運営を開始して、スナック類と果物などを扱っている。

合包弾の事業は3つの部分で構成されている。

①共同購入・配送と売れ筋分析。さらに、営業担当者が収集した小売店の販売データをプラットフォームからメーカーにフィードバックして、新製品を逆カスタマイズする。

②営業担当者による店舗での新製品導入と店舗の経営指導。営業担当者は、クラウドソーシング方式の「共有サービス」で人件費を削減する(後述)。

③家族経営の小規模店を活用する、生鮮食品のコミュニティ購入サービス「早晩拼」。

合包弾の特徴の1つは営業担当者をシェアすること、もう1つは小規模ビジネスと消費者にサービスを同時に提供することだ。合包弾は後者を「O2A(One to All)」と呼ぶ。

従来、営業担当者は特定の商品やブランドを担当していたため、同じ地域に複数の営業担当者がいることが多く、無駄な競争が起こっていた。そこで、合包弾では、メーカーから新製品販促の依頼を受けると、プラットフォーム上で営業担当者にクラウドソーシングで発注する。

営業担当者は、雇われの身から転身して起業家となり、店舗の開拓と新製品の販売促進を担当する。 店舗数は少ないが担当するSKUは多く、効率を上げられる。またこれらの営業担当者は小規模店に対する経営指導に意欲的で、それこそが小規模店が必要とするサービスなのだという。

一方、コミュニティのグループ購入では、小規模店のオーナーはコミュニティや住民と親しく、店舗はコミュニティの中心であることが多いので、一時的な保管や配達などの機能を担ってもらっている。

合包弾は厦門での試験運用をすでに完了しており、データによれば、すでに5,000軒の小売店をカバーしている。 リピート率は60%、月間流通総額は1千万元(約1億6千万円)以上に達した。さらに、同社はシリーズPre-Aでの資金調達を発表しており、次のステップでは、全国規模にサービスを広げてコミュニティ購入をターゲットにしていく。

周煒平氏は、これまで「雅客集団(Yake Group)」、「福馬集団(Foma Group)」など食品会社の副社長やマーケティング部長などを歴任した食品業界のマーケティング専門家。ビタミンキャンディ「雅客V9」などのヒット商品を手掛けた。
(翻訳・神江乃緒)

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