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人体や環境に害となる成分を使わず動物実験をしないことなどをモットーにしているクリーンコスメブランド「Dewy Lab(淂意)」がプレシリーズAで資金を調達したと発表した。出資を主導したのは「華創資本(China Growth Capital)」。中国版インスタグラムと呼ばれる「小紅書(RED)」も参加した。小紅書がコスメブランドに出資したのは初めて。
同社によると、2021年1月の商品発売開始から半年で月間売上高が500万元(約9150万円)に達したという。11月のセール期間には売上高が1000万元(約1億8300万円)を超え、その勢いは翌月も続いた。現在はファンデーション、コンシーラー、ルースパウダーの三大ラインナップを展開し、25~35歳の女性をメインターゲットとしている。客単価は安定して200元(約3660円)以上を保っているという。
開発に注力 敏感肌市場を狙う
美容業界のビッグデータ・プラットフォーム「美業顔究院(beautydata.ai)」のリポートによると、世界のクリーンコスメ市場は2020年に54億4000万ドル(約6260億円)規模となり、27年には115億6000万ドル(約1兆3300億円)に達する見込みだという。中でも資生堂が買収した米「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」をはじめ「Glossier」や「BeautyCounter」など欧米ブランドの成長が著しい。アリババ傘下の電子商取引(EC)プラットフォーム「天猫(Tmall)」のデータによると、21年6月のECセールイベント「618」期間中、越境ECプラットフォーム「天猫国際(Tmall Global)」のクリーンコスメカテゴリでは美容液、パック、洗顔料、クレンジングなどの売り上げが前年同期比で100%以上も伸びたという。
海外で人気に火が付いたクリーンコスメが、中国でも新たなトレンドとなっている。Dewy Lab創業者のAmber氏は「中国には約2億人の敏感肌の女性がいる。『薇諾娜(WINONA)』や『玉澤(Dr.Yu)』など敏感肌に注力するスキンケアブランドも現れている。国内外のクリーンコスメブランドが市場に浸透したことで、より多くの女性が敏感肌という肌の特性を自覚するようになった」と分析する。
同社は、小紅書とTikTokの中国版「抖音(Douyin)」でのプロモーションに力を入れている。Amber氏は「小紅書はSNS上での口コミによるブランディングに適している。抖音のショート動画には強い表現力と影響力があるため、潜在的なユーザーをより多く獲得できる可能性がある」と述べた。
Amber氏は「中国の新興コスメブランドは、国内サプライチェーンを十分に活用して市場のニーズに素早く応えられる上、コスト面でも明らかな強みを持つ」とした上で、「今後は原料や配合成分、製造技術などの基礎的な研究・開発を進め、商品のライフサイクルを伸ばす必要がある」との考えを示した。
Dewy Labのコアメンバーは、英ケンブリッジ大学と米ペンシルベニア大学、シンガポール南洋理工大学の出身者で構成されている。それぞれ化粧品の調合や原材料と密接に関わる薬理学や生物科学、化学などを研究していた。同社は製品の開発効率を上げるため、「産官学連携」によるテクノロジー資源の刷新と統合を進めている。具体的には、クリーンコスメの原料開発から分野を超えた応用技術の基礎開発、エンジニアによる調合システムの開発、機能の検証に至る総合的な取り組みにより、商品のコア・コンピタンスを磨いていきたいとしている。
(翻訳・山口幸子)
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