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今月19日、アリババグループは投資銀行「中国国際金融(CICC)」の株式を追加取得し、同社の第3位株主になったと発表した。アリババはCICCの香港上場株のうち2億300万株を保有し、保有比率を11.74%に引き上げた。発行済み全株式に占める保有比率は4.84%。両社は今後、金融、テクノロジー、データなどの分野で協業していく。
これでCICCはアリババとテンセントという二大テック企業が投資する初めての証券会社となった。
2017年9月1日、テンセントは28億6350万香港ドル(約400億円)を投じ、CICCのH株を2億75万株取得。全株式に占める保有比率を4.95%とした。現在、CICCの筆頭株主は政府系投資会社の中央滙金投資(Central Huijin Investment、持ち株55.68%)、第2位株主はテンセント(同4.95%)となっている。アリババは僅差の4.84%で第3位となった。アリババは今回、約30億香港ドル(約420億円)近くを投入したとみられる。
CICCは中国初の外資との合弁投資銀行。これまでにコーヒーチェーン「瑞幸咖啡(luckin coffee)」をはじめ、スポーツ専門メディア「虎撲体育(HUPU)」、オンライン教育サービス「新東方在線(koolearn )」、AI技術開発「深蘭科技(ディープブルーテクノロジー)」、画像認識技術開発「商湯科技(センスタイム)」、果物小売チェーン「百果園(PAGODA)」などの有望新興企業に出資してきた。
また、アリババグループにとって、証券会社の株式取得は今回が華泰証券(HTSC)に次ぐ2社目。資産運用会社「天弘基金(TIANHONG ASSET MANAGEMENT)」への増資、傘下の「アント・フィナンシャル(螞蟻金服)」経由で行った保険会社への出資を含めると、アリババはすでに金融業界の全分野を網羅した。あらゆる金融サービスの営業許可を間接的に手中に収めたことになる。今後は各社との協業を具体的に進めていくだろう。中でもCICCは強力なパートナーとなる。CICCにとっても、アリババやテンセントが有する顧客や人材チームは魅力的に映っているはずだ。
アリババに限らず、テンセントや京東集団(JD.com)など中国の超大手テック企業が金融業界に投資することは最近の趨勢になっている。とは言え、ライセンスや規制の問題で、テック企業が金融業界ですぐに大きな変革をもたらすことはないだろう。それでも、フィンテックは今後、彼らの成長をけん引する場となることは間違いない。
(翻訳・愛玉)
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