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シンガポールに拠点を置く東南アジア最大級の電子商取引(EC)プラットフォーム「Lazada(ラザダ)」がこのほど、親会社のアリババ集団を引受先として新株を発行し、3億7800万ドル(約490億円)を調達した。シンガポール会計企業規制庁(ACRA)に提出された書類で明らかになった。同国新興メディア「Deal Street Asia」が伝えた。
アリババは2016年にラザダを買収し、17年に10億ドル(約1300億円)、18年に20億ドル(約2600億円)を追加出資した。18年にはアリババ傘下の金融会社「アント・フィナンシャル(螞蟻金服)」(現「アント・グループ(螞蟻集団)」)の元最高経営責任者(CEO)、彭蕾氏がラザダのCEOに就任している。
アリババによる今回の追加出資は、ラザダのグローバル化と関連しているとみられる。複数のメディアが4月28日、アリババがラザダの事業を欧州に拡大する計画だと報じている。ラザダはアリババ系の越境ECプラットフォーム「AliExpress(アリエクスプレス、全球速売通)」と協力し、ラザダが海外の現地EC、アリエクスプレスが越境ECを担当。アリババ傘下の物流プラットフォーム「菜鳥網絡(Cainiao Network)」が倉庫・物流面で両社を支援するという。
21年はラザダと競合するECプラットフォームの欧州進出が相次いだ。4月にはバイトダンス(字節跳動)が運営する動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」内のEC機能「TikTok Shop」が英国でリリースされた。9月にはラザダ最大のライバル「Shopee(ショッピー)」が欧州市場参入を発表した。
アリババは、ラザダの業績に大きな期待を寄せている。21年12月に流出した文書によると、アリババは長期目標として、ラザダのGMV(流通取引総額)を同年9月時点の約21億ドル(約2兆7000億円)の5倍に引き上げ、約1000億ドル(約12兆5000億円)とする方針だという。
なお、今年初めには、アリババがラザダ向けの資金調達交渉を打ち切ったと報じられた。ラザダを分割して上場させることを視野に、少なくとも10億ドル(約1300億円)の調達を目指して投資家との交渉を進めたが、バリュエーション(株価評価)で折り合いがつかなかったとみられる。
(36Kr Japan編集部)
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