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百度(バイドゥ)が初めて、クラウド事業「百度雲(Baidu Cloud)」の売上データを公表した。2018年第4四半期の売上高は11億元(約180億円)、前年同期比で2倍以上に成長した。このデータによれば、百度雲はアリババ、テンセント(騰訊)に次いで中国のクラウドサービスの3位に入る見込みだ。
バイドゥCEOの李彦宏(ロビン・リー)氏は「第4四半期、クラウドサービスの顧客基盤が大幅に改善され、人工知能によるソリューションが電気通信、運輸、製造、および金融サービスなどの分野に広く浸透した」と語った。
今年、旧正月の特番放映中にバイドゥと国営局CCTVが共催した紅包(お年玉)プレゼント企画では、世界中の視聴者からのアクセスが208億回に達したが、バイドゥはトラフィックのピーク時も滞りなく乗り切り、百度雲の性能の高さを証明することになった。
当期、百度雲はオープンソースのエッジコンピューティング・プラットフォーム「OpenEdge」を立ち上げた。軽量、安全で拡張可能なエッジアプリケーションの構築を支援し、スマート家電やウェアラブル端末、その他のIoTデバイスに導入してもらうのが目的だ。
中国のクラウドコンピューティング市場では、バイドゥやテンセントなどがクラウドの将来性を見極めかねている間に参入機会を逸し、アリババの寡占状態を作ってしまった。しかし、市場はまだ急速な発展を続けている。 2018年、「阿里雲(アリババクラウド)」は通年売上高で前年同期比191%増の213億元(約3500億円)を達成した。第1~3四半期、「騰訊雲(Tencent Cloud)」の売上高は60億元(約990億円)を超え、クラウドサービスの売り上げは前年に比べ2倍以上増加している。
同市場の成長は、今後数年間続くと予想されている。2017年、中国のパブリッククラウドの市場規模は米国のわずか1/5の246億元(約4050億円)、普及率は米国の約1/3にの3.3%に過ぎず、未だ発展の余地は大きい。
バイドゥは、オンラインマーケティング事業で多くの企業と提携している。こうした企業の中でも、たとえばバイドゥの自動運転車事業のパートナーなどには、今後クラウドコンピューティングの大きなニーズが生まれそうだ。また、バイドゥが強みとするAIは、スマートクラウドの競争において有利な材料でもある。
しかし同時に、IaaSサービスプロバイダーの寡占化が進行しており、参入障壁は高く市場内で逆転を図るには大きな投資が必要になっている。クラウド事業での劣勢を挽回するために、IBMがオープンソースソフトウェア企業レッドハットを340億ドル(約3兆8千億円)で買収したのもその一例だ。
もちろん、まだチャンスはある。業界内では、中国のパブリッククラウドは将来的に数兆元の市場になると予想されている。 ただ、現段階でそれを論じるのは時期尚早だろう。
(翻訳・神江乃緒)
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