テンセントが不動産事業取り込みに食指、「貝殻找房」にシリーズDで出資を主導

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不動産取引プラットフォーム「貝殻找房(Ke.com)」が近く、シリーズDで資金調達を完了する見込みだ。出資を主導するのはテンセントで、今回の出資により持ち株比率を大幅に増やすものとみられる。

貝殻找房は、テンセントや不動産デベロッパー「融創中国控股(Sunac China Holdings)」など複数の株主と完全合意の上、前身となったプラットフォーム「鏈家網(Lianjia.com)」の株主の権利を貝殻找房へ移行した。

3月22日現在、テンセントが運営する微信(WeChat)内の決済機能「WeChatウォレット(微信銭包)」では、サードパーティー提供のサービスに貝殻找房が加わっている。現在はまだ試験段階だが、すでに北京・上海・深圳・成都・天津・蘇州の6都市のユーザーは同サービスを利用できるようになっている。近く、サービス提供範囲は他都市にも拡大する予定だ。

テンセントは、貝殻找房がまだ前身の鏈家網だった2016年にシリーズBで出資を行っている。2017年にも出資に参加しており、すでに貝殻找房を自社のエコシステムに取り込んでいる。

企業信用調査機関「企査査(Qichacha)」によると、テンセントは2017年8月、貝殻找房の運営元「鏈家網科技(Homelink Real Estate Brokerage)」の株式2.32%を47万6400元(約790万円)で取得している。

近年、IT大手はこぞって不動産関連のプラットフォームに着目している。

2017年、アリババ傘下の金融サービス「アント・フィナンシャル(螞蟻金服)」はシリーズCおよびシリーズC+で、高級賃貸物件紹介プラットフォーム「蘑菇租房(Mogoroom)」に2度にわたる出資を行っている。アント・フィナンシャルは今年に入ってからも、米ヘッジファンド「タイガー・ファンド」とともにシリーズCで、賃貸物件を運営する「蛋殻公寓(Danke Apartment)」に出資している。

テンセントがこのほど貝殻找房への追加出資を行ったのは、不動産分野の強化を狙ってのことだろう。貝殻找房は2021年の上場を目指している。
(翻訳・愛玉)

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