ファーウェイが自社製テレビを4月発表か 年間1000万台の販売目標達成は至難の業

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一部報道によると、ファーウェイ(華為技術)が4月にも自社製テレビを発表するもようだ。サプライチェーン関係者が明らかにした。

55インチディスプレイは「BOE(京東方科技集団股份有限公司)」、65インチディスプレイは「CSOT(深圳市華星光電技術有限公司)」が供給し、BOEが買収した「高創(蘇州)電子(K-Tronics(Suzhou)Technology)」がOEM(相手先ブランドによる受託製造)を行うという。デュアルカメラのほか、ゲームやSNS機能も搭載されるとみられる。

関係者によると、ファーウェイはこのテレビの販売目標を年間1000万台としている。これは現在の中国テレビ市場でトップを獲ることを意味する。なぜなら、国内市場のの年間出荷台数は5000万台に満たないからだ。つまり、ファーウェイは20%のシェアを狙っていることになり、大きな挑戦だと言える。

同社傘下ブランドの「栄耀(honor)」も同様に、テレビ製造に乗り出すと噂されている。大手スマホメーカー、シャオミ(小米科技)はすでに中国のテレビ業界でトップクラスのメーカーだ。同じくスマホ大手OPPO傘下の「一加(OnePlus)」もすでに自社製テレビの開発に乗り出し、年内発売を予定しているという。

スマホメーカーが家電分野に進出する背景として、スマホ業界の成長が頭打ちとなり、スマホ以外の成長事業を見つける必要に迫られていることが挙げられる。家電の中でもテレビは参入障壁が低い業界のひとつで、技術面でも既存メーカーとの競争面でも、白物家電より明らかに参入が容易だ。

このほか、大手スマホメーカーは「スマートホーム」に注力している。5G時代の到来を控え、インターネットテレビは使用頻度の高いディスプレイ搭載機器として、家庭内IoTの入り口になることも挙げられる。

大手スマホメーカーの相次ぐ参入はテレビ業界に大きな衝撃を与えるとみられる。これらスマホメーカーはインターネット設備、AI関連技術、イノベーション能力、ブランドの訴求力等、どれをとっても既存メーカーを上回ることから、既存メーカーは一段と大きな競争圧力にさらされるだろう。

ファーウェイは技術力や資本力が強大で、ブランドの訴求力も非常に強い。マイナス点はテレビ業界に進出する絶好の時期がすでに過ぎていることだ。業界全体で需要が低迷していること以外に、激しい競争や頻繁に発生する価格戦もテレビの粗利を驚くべき水準にまで押し下げている。また、同社の目標販売台数についても、シャオミの2018年のグローバル出荷台数が前年比225%増の840万台だったことを考慮すると、新規参入企業が年間1000万台の目標を達成することは決して容易ではない。
(翻訳・池田晃子)

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