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医療機関では近年、運営効率の向上やマネジメントの精密化などに取り組んでいる。しかし、解決すべき課題はますます複雑かつ難しいものになっており、データ化の必要性が徐々に高まってきた。こうした背景から医療業界ではIoT技術が急速に盛り上がりを見せており、外来や入院、マネジメントや後方勤務などの病院業務への導入が強く求められるようになってきている。IoT導入でコストダウンや業務効率向上が図れるだけでなく、増収も見込めるからだ。
8月13日、医療業界のデジタル化・スマート化に取り組む「京頤科技(KingYee Technology、KYEE)」と医療分野のIoT(IoMT)を手がける「信尚安物聯科技(XINSEC IOT)」が、戦略投資・提携関係を結ぶことで合意した。京頤科技が信尚安物聯科技に出資し、両社は共同で次世代のスマート化病室やIoMTを構築して、中国医療のデジタル化を推進していく考えだ。
京頤科技は2004年に設立され、スマート医療技術・サービスを提供している。スマート病室や医療クラウド、医療・ヘルスケアのビッグデータなど幅広い分野を手がけ、さまざまなタイプの医療機関や政府の主管部門にスマート医療のトータルソリューションを提供する。
同社は16年、医療業界に関する2つのトレンド予測を打ち出した。一つは全病床へのスマート端末設置、もう一つは全病院でのクラウド導入だ。17年には病床の脇にインタラクションが可能なスマート端末を設置するソリューションを開発し、同社が構築する医療IoTの中心的存在の一つである「スマート病室」のプロダクトが誕生した。
京頤科技は現在、スマート病室「KyeeCare」、医療クラウド「KyeeOne」「KyeePro」、医療・ヘルスケア関連ビッグデータ「KyeeData」を中核事業とする医療データ化推進企業となった。KyeeOneは個別の病院向けに、全面クラウド化を実現するためのITのトータルソリューションを提供する。KyeeProは地域の政府関係機関や医共体(農村部の病院や診療所を連携させる医療サービス体系)、医療グループに向け、地域全体を包括する医療クラウドのソリューションを提供する。KyeeCareは大型医療機関に向けて業界最先端のスマート病室のトータルソリューションを提供する。同社のスマート病室はこれまで四川大学華西医院、中国人民解放軍総医院、上海交通大学医学院付属瑞金医院など多くの病院で導入されている。
今回、出資を受ける信尚安物聯科技は医療IoT技術の応用分野に特化した企業だ。スマートホスピタルのIoT応用プラットフォーム、業務シナリオへの活用、IoTのネットワークインフラを統合させた医療IoT構築のトータルソリューションなど、医療IoTの全体計画やユーザーインターフェース階層の設計に長けている。
同社が提供する主な業務シナリオは、スマートホスピタルのナビゲーションシステムのほか、点滴の状態・患者の異変の有無・バイタルサイン(呼吸・体温・脈拍・血圧)の自動モニタリング、各病床との相互通信システム、ナースステーション用スマートホワイトボードシステムなどを網羅するスマート病室向けIoTシステム、重篤な急患を最短で診療につなげる「急診緑色通道」のIoTシステム、資産管理のIoTシステム、安全管理のIoTシステムなどがある。これまでに広州医科大学附属第二医院、首都医科大学宣武医院など100以上の新設病院と既存病院でIoTを構築してきた。
両社とも次世代のスマート病室を実現する中核となるプロダクトや技術面の強みを有する。それぞれがリソースや事業面での優位性を発揮し、共同で医療業界の発展を推進していく。
(翻訳・山下にか)
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