中国モバイルゲーム、22年7〜9月の売上高25%減 海外市場も縮小

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ゲーム関連調査会社の伽馬数据(CNG)が中国游戯産業研究院と共同で調査を実施し、2022年第3四半期(7~9月)のゲーム産業に関するリポートを発表した。リポートによると、中国や海外のゲーム市場の規模は縮小し、ユーザーのゲーム時間や課金意欲が減っている。

モバイルゲーム市場の規模、5四半期で最低に

中国ゲーム市場の2022年第3四半期の売上高は597億300万元(約1兆1940億円)で、22年第2四半期(4~6月)より12.61%減少した。22年第2四半期の売上高が前四半期(1~3月)より14.04%減少したのに比べると、減少幅はやや狭まった。前年同期(21年第3四半期)比では19.13%減で、前年同期のプラス成長からマイナス成長に転じた。モバイルゲーム市場の売上高は416億4300万元(約8330億円)で、市場規模は前年同期の554億6900万円(約1兆1100億円)から縮小した。また、過去5四半期で売上高は最低だった。

中国のゲーム市場の売上高(中国游戯産業研究院および伽馬数据提供)

マクロ経済などの影響でアクティブユーザー数やプレイ時間が減少した。加えて第3四半期は新作ゲームの売り上げが過去に比べて思わしくなく、人気ゲームの売上高も減少した。

具体的には、伽馬数据が推算した第3四半期の売上高上位10位のモバイルゲームのうち、ネットイース(網易)の「ディアブロ イモータル(暗黒破壊神:不朽)」のみ新作ゲームだった。ランクインした10本のうち6本はテンセント系、2本はネットイースがリリースし、アリババ系の「霊犀互娯(Lingxi Games)」の「三國志 真戦(三国志・戦略版)」もランク入りした。「miHoYo(米哈游)」の「原神(Genshin)」は6位だった。

モバイルゲームの売上高ランキング(伽馬数据提供)

配信を終了したモバイルゲームは第3四半期には15本以上に及び、前四半期より88.9%増加した。そのうち88%はテンセント系だった。これはテンセントが手掛ける作品数が多いことも当然関係している。

全体的に見ると、中国のモバイルゲーム市場の規模はさまざまな要因から拡大ペースが低下している。通常は国内市場にチャンスが十分になければ海外を目指すが、伽馬数据のリポートからすると海外事業も楽観できない。

海外市場も連続第4四半期縮小

中国企業が開発したゲームの海外市場での売上高は22年第3四半期、42億6200万ドル(約6200億円)だった。海外市場での売上高としては21年第3四半期以来最低となり、4四半期連続で減少した。

第2四半期の売上高44億3500万ドル(約6500億円)と比べると第3四半期は3.91%減少し、減少幅は前四半期より拡大した。第1四半期の売上高が前四半期(10~12月)より0.54%減少したことからみると、中国企業が開発したゲームは海外での優位性を次第に失いつつあることが分かる。

中国企業が開発したゲームの海外市場での売上高推移(中国游戯産業研究院および伽馬数据提供)

「巣ごもり消費」の追い風を受け、ゲームユーザー数は世界で急増した。しかしポストコロナへフェーズが移ると、コロナ禍で新たに増加したユーザーからの売り上げが減少し、ゲーム市場縮小の要因になったと考えられる。加えて経済情勢の変化がユーザーの課金行為に若干影響し、「ステート・オブ・サバイバル」、「PUBG Mobile」など人気作品の売上高減少を間接的に招き、市場規模は縮小した。

反対に、売り上げが好調な作品もある。伽馬数据は日米韓などの重要市場を調べ、売上高の伸びが大きかった上位5作品を発表した。

海外重要市場で売上高が伸びた上位5作品(伽馬数据提供)

首位は「龍創悦動(IM30)」の「7号堡塁(Last Fortress)」だった。同作は2020年11月にGoogle Playでテスト運営を実施した後今年5月に急成長し、日米韓市場で売れ筋上位100位以内に入っていた。

7号堡塁の米国iOSにおけるランキングの推移(「七麦数据(Qimai Data)」提供)

2位は「三七互娯(37 Interactive Entertainment)」の「雲上城之歌(Song of the Cloud City)」で、日韓で人気だった。米モバイルアプリ調査会社Sensor Towerは、同作は売上高が6000万ドル(約88億円)以上で今年上半期に韓国市場で最も稼いだ中国のモバイルゲームとなり、「原神」さえ上回ったと指摘している。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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