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米ゲーム大手のアクティビジョン・ブリザードはこのほど、中国インターネットゲーム大手の網易(ネットイース)とのライセンス契約が期間満了するのに伴い、2023年1月24日以降は中国で提供してきた大半のゲームのサービスを停止すると発表した。14年間にわたって続いた両社の提携関係が終わりを告げた。
中国でサービス終了となるのは、「ワールド オブ ウォークラフト(WoW)」「Warcraft III: Reforged」「スタークラフト」シリーズ、「ハースストーン」「ヒーローズ オブ ザ ストーム」「オーバーウォッチ」および「ディアブロIII」。22年6月に公開された「ディアブロ イモータル」は、共同開発・発行に関して別の契約を結んでいるため、サービスが継続される。
世界最大のゲーム市場である中国では、ゲームに関して厳しい規制が敷かれている。ゲームの内容や収益化の方法が管理されるほか、「版号(ライセンス)制度」を通じた新作ゲームの発行数制限も行われている。22年1〜11月の期間、新たに同制度の審査を通過した輸入ゲームはない。また、海外のゲーム開発企業は中国でゲームを発行する際、発行元となる中国の企業と提携しなければならない。アクティビジョンとネットイースはこれまで、数年ごとに提携契約を更新してきた。
ネットイースの丁磊・最高経営責任者(CEO)は11月17日、22年7〜9月期決算発表会の席上、「私たちはアクティビジョンのゲームを引き続き代理発行したいと考えている。そのために大変な努力をしたものの、交渉は予想よりもはるかに難しかった」とした上で、「中国市場および企業の権利など提携継続に関する主要条件について、アクティビジョンの要求を受け入れられなかった。非常に残念だが、私たちは提携を終了することとした」と述べた。
中国のビジネスメディア「晚点(LatePost)」によると、アクティビジョンは提携継続の条件として、収益分配率の引き上げだけでなく、ネットイースがこれまで代理発行してきたゲームの定価を世界標準と同等とすることなどを挙げたという。
ネットイースはアクティビジョンとの提携を失ったものの、業績への影響はさほど大きくないとみられる。22年7〜9月期の決算報告書によると、21年および22年1〜9月のアクティビジョンのゲームによる売上高は、全体に占める割合が数%未満で、利益貢献率も極めて小さかった。しかも、売上高への貢献度が高いディアブロ イモータルに関しては個別の契約を結んでいるため、今回の提携終了による影響を受けることはない。
(36Kr Japan編集部)
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