スタバ中国事業が大幅な組織再編、モバイル決済やオンライン受注などデジタル化に注力

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スターバックスコーヒーは27日、中国事業の組織再編を行うことを発表した。6月1日より実施する。

これにより、中国事業部CEOの王静瑛(ベリンダ・ウォン)氏が董事長を兼任する。また、中国事業部の全部門を再編し、「小売」と「デジタルイノベーション」の2部門に分割する。デジタルイノベーション事業部の主要事業にはECを据え、同社がこれまで重要視してきた店舗事業と同等の位置づけで展開していく。

デジタルイノベーション事業部の総経理に就任する劉文娟(モリー・リウ)氏は、2012年に同社へ入社。デリバリー事業「専星送」やミニプログラム「用星説」の立ち上げに貢献してきた。前者はアリババグループ(阿里巴巴集団)、後者はテンセント(騰訊)との提携事業だ。

「新たな組織編成によって、より迅速にリソースの調整や配置が行えるほか、短期的な業務上のニーズへの対応と長期的戦略における成長との良好なバランスがとれると考える」。スターバックス・インターナショナルのチャネル開発グループおよびグローバルコーヒー・紅茶グループを総括するジョン・カルバー氏はこう述べた。組織再編の目的は、オフライン空間(店舗)とインターネットが連携した新たな発展を目指すものだとする。

店頭でのユーザー体験(UX)を重視し、顧客にサードプレイスを提供することがスターバックスの一貫した事業理念だが、これは前CEOのハワード・シュルツ氏が提唱してきたものだ。オフライン事業ではこの理念のもとに成功してきた同社だが、オンライン事業では数々の問題を抱えている。

人口ボーナス期にある中国市場では、ECやデリバリーサービスなどオンラインを通じた事業が隆盛で、オフラインに重点を置くスターバックスは分が悪い。中国の消費者は、購買行動に便利さとスピードを求める。スターバックスとしても、オンライン事業に注力するよりほかない状況だ。

前述のデリバリーサービス「専星送」はもちろんのこと、オンラインで注文し店舗で商品を受け取れる新サービス「啡快Starbucks Now」も、こうした消費者の需要に応じて着手した事業だ。

ケビン・ジョンソンCEOは2019年第2四半期(1~3月)決算発表の電話会議の際、同社の将来的な成長の指標について「UXの向上、革新的な商品の拡充、デジタル化の推進に着目していく」と述べている。

本国アメリカでは、スターバックス専用のモバイル決済ツールも提供されている。専用ツールで支払いを行うユーザーは、Apple PayやGooglePayを利用するユーザーよりも多いという。この専用決済ツールは今年末までに中国市場でも導入される予定だ。
(翻訳・愛玉)

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