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カフェ・喫茶店とバーの境界が曖昧になってきている。
アルコール類も提供する「スターバックス リザーブ ロースタリー」の開店、オリジナルフレーバーティー「喜茶(HEYTEA)」のコーヒー取扱い開始、新興コーヒーチェーン「瑞幸咖啡(luckin coffee)」のフレーバーティー販売開始に続き、茶飲料専門店「奈雪の茶(NAYUKI)」がアルコール類の販売に乗り出した。すでに北京や深圳にバー「奈雪酒屋(nayuki’s Bla Bla Bar)」を3店舗開店している。
これらのバーは北京と深圳の有名なビジネスエリアに店を構えているが、奈雪の茶はこれより前に同じエリアで茶飲料と軽食を販売し、人気を得た。奈雪酒屋はティースタンドの隣に開店しているため、ティースタンドの客を呼び込めるだけでなく、アルコール商品の販売によって若者たちに夜の社交の場を提供することができる。
当初の構想は、25歳から35歳の女性向けの場だったため、インテリアはピンク色の内装や柔らかい感じのライトなど、女性好みの仕上がりとなっている。同社の責任者によると、女性がお酒を飲みながら「blablabla」ととめどなく話し続ける様子から、店名を「Bla Bla Bar」と名づけたという。
奈雪酒屋はまず、アルコール度数が低いカクテルのプロモーションを行った。女性客は一般的に甘くてアルコール度数が低い飲み物を好むことや、普段はアルコールを飲まない客も気軽にトライできることがその理由だ。実際にこのプロモーション戦略は当たり、ティースタンドの客を奈雪酒屋に呼び込む上で一役買っている。
奈雪酒屋の責任者によると、カクテルの粗利益は80%と高く、若者たちに人気のクラフトビールも40~60%だという。バーという業態は客単価や粗利益が高い。奈雪酒屋の場合、客単価は70元(約1100円)前後で、主力事業の茶飲料よりも高くなっている。そのため、奈雪の茶はバーを引き続き展開していくが、それによって同社全体の売り上げ規模拡大を図る目的はなく、今後も茶飲料の販売業務を主体にしていくとのことだ。同社のティースタンドは拡大を続けており、2019年末には店舗数が400店に達する見込みだ。
商品包装のビジュアルにも一工夫がある。奈雪の茶では香水瓶を模したボトルを使用し、購入者は飲み終わった後にボトルの写真を撮ったり、アロマボトルとして用いたりしている。若い女性客がSNS型ECアプリ「小紅書(RED)」で盛んに奈雪酒屋のさまざまな商品を紹介したり、情報をシェアしたりしている。
奈雪の茶は茶飲料や軽食、アルコール飲料の販売だけでなく、消費者に多様なシーンを提供することによって、坪当たり売上を上げるだけでなく、自社の位置づけをライフスタイル・ブランドに高めようとしている。喜茶やスターバックスなども同様の取り組みを見せている。
飲料はSNSへの投稿ネタとしても、サブカルチャー要素としても、流行文化との融合が始まっており、若者たちのライフスタイルや自己表現の一部となりつつある。消費者を拡大したいのならば、飲料ブランドは特定の商品やシーンだけにいつまでも固執することはできない。また、主な消費者層は流行の変化に敏感な若者であるため、新たな商品ブランドを立ち上げた後も、頻繁に商品のリニューアルを行って彼らの関心を惹き付ける必要がある。この面で、各飲料ブランドの取り組み方はさまざまだが、目標はただ一つ、消費者を獲得し、定着させることだ。
(翻訳・虎野)
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