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中国で労働節(メーデー)連休(今年は4月29日~5月3日)が近づく中、旅行業界に「春の風」が吹き始め、力強い回復の勢いを見せている。
オンライン旅行大手の携程集団(トリップドットコムグループ)ではメーデー連休の予約数が昨年の8倍を超えた。遠距離の行き先は6割を超え、昨年の9.1倍となった。
同程旅行の海外旅行検索件数もここ最近で大幅に増加し、バンコクやシンガポール、プーケット、バリ島などが人気の目的地となっている。
海外旅行の回復は観光業の回復を示す一例と言える。旅行業界では今年、いくつもの主要指標が改善を続け、航空業界とホテル業界では回復が特に際立っている。
航空市場は輸送力と販売ともに旺盛な状況を迎えている。フライト・旅行関連サービスの総合アプリ「航班管家」の推計で、3月の民間航空の国内輸送力は2019年同月の2.1倍になり、うち国内線は旅客数が19年の94.8%に回復した。中国民用航空局によれば、23年の夏・秋ダイヤでは、国内の航空会社41社が19年の2.4倍となる週9万6561便の運航を計画している。
昨年末に回復を始めたホテル業界も順調に回復している。3月初めから回復を維持し、中下旬にはRevPAR(販売可能な客室1室当たり収益)が以前の水準にまで上昇、月末には新型コロナ前の水準を超えた。
ある旅行業界関係者は「業界の自信のもとになっているのは、客単価が着実に回復していることだ」と語る。観光客数の増加よりも、人々が消費により積極的になっていることに回復の希望を見たという。電子決済システム「支付宝(アリペイ)」がこのほど発表した「23年1~3月海外旅行消費景気インサイト」によると、海外旅行再開後の最初の旅行者の波では1人当たりの決済件数がコロナ前の1.2倍、決済金額が2倍になった。
中航証券のアナリスト、裴伊凡氏は4~6月の旅行市場について、メーデー連休があるほか夏休みが近く、旅行資源の供給回復、航空券や燃料コストの大幅な下落もあり、成長の見通しが強く、供給の改善が進む新たな段階を迎えるとし、避暑旅行は新型コロナ前の水準に達するかそれを超えるとの見通しを示した。(新華社北京)
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