ビジネス情報SaaS「AroundDeal」、事業拡大へ。中国企業の海外進出、1億以上のデータで支援

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AIを活用したビジネス情報特化型SaaSプラットフォームを運営する「艾如恩迪(上海)信息技術(AroundDeal)」がこのほど、プレシリーズAで数千万元(約数億円)を調達した。

AroundDealは2020年設立、AIとデータテクノロジーを使い、海外進出する中国企業や海外新興市場のBtoB企業に向けたビジネス情報の提供に力を入れる。プラットフォームでは企業情報や連絡先、ビジネス情報などほぼ世界すべての国と地域をカバーする1億以上のデータを扱い、カテゴリは1万種類以上になる。データは随時更新され、ユーザーのプレシジョンマーケティングを実現し、最短距離でのグローバル化をサポートする。

近年、中国企業は盛んに海外を目指しているが、どのようにして海外市場に食い込んでいくかは難しい問題だ。米顧客情報管理(CRM)最大手のセールスフォースによると、営業担当者が実際に営業に費やしているのは業務時間の3分の1だけで、見込みのある企業をリサーチし、担当者とのコンタクト方法などを調べるのに多くの時間を割いているという。

世界で広く導入されているビジネス情報サービスZoomInfoの2019年の目論見書では、世界にビジネス情報サービスの潜在顧客が80万社あり、市場規模は240億ドル(約3兆4000億円)を超えるとされた。しかし同社のサービスを導入しているのはわずかその2〜3%に過ぎない。またウォールストリートのアナリストは2022年の市場規模を1000億ドル(約14兆2000億円)と推計した。AroundDeal創業者の黄臻氏は、市場拡大の余地は大きいとみている。

欧米市場の産業構造は比較的成熟し、安定してシンプルだ。ZoomInfoなどの海外企業はこうした欧米市場に照準を合わせ、規格化したSaaSサービスを提供している。しかし中国や新興国市場の製造業は市場規模がより大きく、産業構造も複雑だ。産業の種類も細かく分かれ、変化のスピードが極めて速い。欧米市場向けのSaaSをそのまま適用するのは難しいことから、AroundDealは中国の海外進出企業や新興国市場のB2B企業をターゲットにAIを使ったサービスを開発した。

具体的には、海外企業や連絡先の検索、見込み企業のリストアップ、サイト訪問者の解析、ビジネス特化型SNSのLinkedInなどとの連携を含め主な機能が8つあり、海外での顧客開拓やマーケティング、人材募集などAIを使ったソリューションも提供する。

中国のユーザーにとってこうしたツールを使いこなすのは容易なことではない。そこでAroundDealは大規模AIモデルを活用し、データレコメンドやマーケティングコンテンツ生成などの機能を追加し、操作性を高めることで顧客獲得率向上につなげた。

AroundDealは現在国内ユーザーに重点を置いているが、今後徐々に海外顧客へも対象を拡大する。現在のユーザーアカウント数は10万以上、ユーザー企業は通信機器大手のファーウェイ、欧州ソフトウェア大手のSAP、太陽光パネルメーカーの隆基緑能科技(LONGi)、ディスプレイ製造大手の京東方科技集団(BOE)などを含め100社を超えた。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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