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第19回アジア競技大会が9月23日から10月8日まで、アリババグループが本社を置く中国浙江省杭州市で開催されている。アリババクラウドをはじめ、同社の各事業部門は大会の需要に合わせたサービスを提供し、大会のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える重要な役割を果たしている。
アリババクラウド傘下のビジネス向けコミュニケーション・コラボレーションプラットフォーム「釘釘(DingTalk)」は、アジア競技大会の開幕に先立つ9月21日、大会の運営効率向上に特化したソリューションとして「DingTalk for Asian Games」(以下、拡張版DingTalk)を発表した。
拡張版DingTalkは、アジア競技大会の主催者やサプライヤー、ボランティア、会場運営者など全ての関係者をつなぐコラボレーションツールとして機能し、大会期間中の組織運営とコミュニケーションの中核を担う。数万人のスタッフやボランティア、そして外部パートナーは、相手を指定して簡単にコミュニケーションを取ることができ、情報共有や会議の設定もスムーズに進められる。また、最先端のディープラーニングと自然言語処理(NLP)技術に基づくアリババクラウドの機械翻訳サービスも活用し、中国語、英語、日本語、タイ語を含む14言語のリアルタイム翻訳を提供する。アリババクラウドの発表によると、拡張版DingTalkを利用したメッセージのやり取りは、26日の1日だけで47万件に上ったという。
さらに、拡張版DingTalkはスマートフォン向けに最適化されており、各ユーザーと大会のメイン・オペレーション・センター (MOC)との間を音声および映像で即時接続し、意思決定や問題解決を加速させる。
アリババグループは2017年、国際オリンピック委員会(IOC)と28年までの長期パートナーシップ契約を結んだ。同社は「オリンピック・ワールドワイド・パートナー」として、18年平昌冬季五輪、20年東京五輪、22年北京冬季五輪、24年パリ五輪に加え、28年までに開催される夏季および冬季五輪に協賛することが決まっている。
DingTalkの李智勇(Alex Li)バイスプレジデントは9月26日の記者会見で、「今回のアジア競技大会をサポートした経験やノウハウを糧とし、2024年のパリ五輪など今後開かれる国際的な大規模スポーツイベントにつなげていきたい」と述べた。
DingTalkは2014年に初版を提供し、現在ではユーザー数が6億人を超える世界最大級のビジネス向けコラボレーションツールとなっている。日本では20年にサービスを開始した。
DingTalkは単なるコミュニケーションツールではなく、グループチャットやドキュメント、ビデオ会議などの機能を備えるほか、出退勤管理から採用支援、タスク管理、アプリ開発までさまざまなシーンで活躍する。今年半ばには、アリババグループ独自の大規模言語モデル(LLM)「通義千問(Tongyi Qianwen)」を組み込み、よりインテリジェントなオフィスツールに進化している。
アリババグループは2020年、DingTalkをクラウドインテリジェンス事業部門に編入。今年5月には、クラウドインテリジェンス事業部門を完全に分離し、12カ月以内に単独で新規上場させると発表した。
(36Kr Japan編集部)
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