アリババ傘下共同購入サイトの「聚划算」が大規模キャンペーン 「拼多多」と全面対決

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9月9日、アリババ傘下の共同購入サイト「聚划算(juhuasuan.com)」はキャンペーンを行い、GMV (流通総額)585億元(約8800億円)を記録した。同日のアリババ系列のECサイトの消費額は対前年比で40%増え、「天猫(Tmall)」の今年の6月18日のイベント「618」の38%よりも高い伸び率となった。

再出発する聚划算

2015年、天猫は消費のレベルアップに、「淘宝(タオバオ)」はコミュニティ作りに、それぞれ専念していたが、聚划算は旧来の割引・低価格路線以外の方向性が見えなかったため、グループ内における重要度が低下していた。その結果、2016年12月、聚划算は天猫に吸収され、天猫やブランドの宣伝を行うプラットフォームに様変わりした。

聚划算が天猫に吸収された2016年、ECサイト「拼多多(Pinduoduo)」はローンチされたばかりだった。当時は、アリババと京東(JD.com)の激戦の真っ最中で、共同購入を主なビジネスモデルとするスタートアップの拼多多が、一気に地方市場のトラフィックを手中に収めるとは、誰も予想していなかった。

拼多多の急速な台頭は、アリババにとって想定外のことであり、地方市場に膨大な消費者がいることをアリババに認識させるきっかけにもなった。そこで、低価格路線の聚划算が再び脚光を浴びたのである。

今年3月、聚划算とアリババ系列の割引セールを得意とする2つのECサイトが合併し、「大聚划算事業部」が立ち上げられた。公式にはまだ淘宝、天猫から独立した事業部ではないものの、グループ内ではかなりの独立性を持つ。

記念日キャンペーンは目的ではない

業務と運営チームの再編により、聚划算は再び最前線に躍り出た。ライバルは拼多多だ。消費者の認知度を速やかに上げるにはどうすればよいのか。アリババは、最も得意とする記念日創出キャンペーン(11月11日の独身の日のように、日を決めて販促活動を行うこと)を行うことにした。

8月19日、今年の9月9日セールのスタート式典において、聚划算はこれまでのセールを、「99划算フェスティバル」に格上げすると発表。アリババ・グループ内では、第3位の規模を持つショッピングキャンペーンだ。

その結果、今年のフェスティバルでは以下のような成績を残した。2日間のGMVは昨年11月11日の「双11(ダブルイレブン)」の1/4を超える585億元(約8800億円)で、地方市場からの購入は全体の60%。フェスティバルに参加したブランド数は6万以上にのぼった。ちなみに昨年の双11の参加ブランドは約18万だった。

地方市場を中心ターゲットとしたが、双11や618に名を連ねる有名ブランドはほぼすべて「99划算フェスティバル」に参加した。このことで、有名ブランドも地方市場に興味を持つことが明らかになった。

また、地方市場の消費者も、ブランドに全く興味がないわけではない。彼らは、有名ブランドでありながら低価格の商品を望んでいる。そのニーズに、聚划算は特注品を提供することで応えたのである。

左は拼多多での販売価格、右は聚划算のキャンペーン期間中の価格

しかし、記念日キャンペーンでは一時的な効果しか上げることができない。聚划算は目下、供給側のレベルアップを図り、有名ブランドとともに産業チェーンの構築をすることで、低価格かつ高品質な商品を提供しようとしている。これは拼多多が展開している「新ブランド計画」と同じ戦略だ。

また、聚划算と京東が地方市場に狙いを定めたのと同時に、拼多多の大都市への進出も早まった。一部報道によれば、拼多多は現在の「タイムセール」サービスを、「タイムセール共同購入」事業部に格上げすることを検討しているという。この事業部は一級、二級都市がターゲットで、聚划算の挑戦に対抗するためだ。

拼多多のタイムセールの担当者によれば、今年の618イベントの際、当該サービスは同サイトのトラフィックの原動力になっており、聚划算に迫るトラフィックを記録しているという。618イベント期間内のタイムセール注文件数は対前年比320%増え、同期間の拼多多全体のGMVの伸びを上回った。

興味深いことに、99划算フェスティバルの数日間、投資家たちは、最高値を更新し続けてきた拼多多の株価が聚划算の影響を受けないか、神経をとがらせていたという。アリババが地方市場に乗り込む決意の固さに、拼多多とその株主の間に、緊張感が走っている。
(翻訳:小六)

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