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中国吉林省長春市にある商用リモートセンシング衛星企業、長光衛星技術は現在、衛星通信に関する挑戦的な実験を進めている。
研究チームはこのほど、毎秒100ギガビット(Gbps)の衛星対地上および衛星間レーザー通信試験を完了し、現在は衛星間レーザー通信の距離を500キロから2千キロにまで拡大することを計画している。
衛星レーザー通信という専門用語の背後には、いかにして人工衛星と効率的に「対話」するかという、商用宇宙開発上で模索が続けられている課題がある。
ますます多くの人工衛星が打ち上げられ、衛星コンステレーションの規模が大きくなるのに伴い、既存のマイクロ波通信原理では帯域幅が不足し、リモートセンシング衛星が撮影する大量のイメージを地上でダウンロードするのに長い時間がかかるなど、いくつかの現実的な問題に直面するようになった。
このため、各国の研究者はレーザー通信技術に重点を置いて研究開発を進めてきた。従来のマイクロ波通信に比べて伝送帯域幅が広く機密性が高いという特徴を持ち、将来の空間通信の主形式と広く認識されている衛星レーザー通信は、衛星対地上通信と衛星間通信に分けることができる。衛星対地上レーザー通信は安全かつ高速な空間データのランディング(ユーザーが利用可能な状態にする)サービスを提供し、伝送速度を大幅に高められる。衛星間レーザー通信は衛星間の「通話」システムを確立することで、境外(外国と中国香港・マカオ・台湾地区)の衛星データを境内の衛星に転送して高速ダウンロードすることが可能となる。
長光衛星技術は2020年3月に課題研究チームを結成し、衛星対地上および衛星間レーザー通信の研究開発を包括的に実施してきた。3年余りの研究とテストを経て、車載レーザー通信地上局と衛星搭載レーザー通信端末との地上水平接続試験による水平距離500メートルで毎秒下り10Gbps、上り10Mbpsの双方向レーザー通信を実現。また、中国で初めてとなる100Gbps衛星間レーザー通信による超高速・高分解能リモートセンシングイメージ伝送試験にも成功した。これらの成果は、同社が衛星対地上および衛星間レーザー通信で大きな進展を得たことを意味する。(新華社長春)
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