テスラのグローバル市場拡大 英国での第3四半期の販売台数が去年の年間販売台数を超える

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電気自動車メーカーのテスラの販売台数は、販売台数記録を更新した第2四半期(95000台)の勢いが継続し、第3四半期の全世界での販売台数が97000台(うち、Model3が79600台)となった。米国本土市場の貢献度が最も大きいが、海外におけるModel 3の市場開拓能力が徐々に明らかになってきた。

自動車関連ニュースサイトElectrekによると、テスラの9月および第3四半期の英国での販売台数データが公開された。9月の販売台数は3459台で、うち、Model 3は2864台、Model S/Xは595台。また、第3四半期の販売台数は6244台で、昨年2018年の年間販売台数(3372台)を超えたことになる。その数は英国自動車市場全体の2.2%を占めた。

テスラの欧州市場の中で英国は第3位に位置する。英国の特徴としては、EU離脱の影響により関税が変動するため、購買力が増加しているにもかかわらず、消費者が新車購入に対しより慎重になっていることが挙げられる。そのため、今年に入ってからの英国の新車販売台数の伸びは欧州主要市場の中で最も鈍い。市場環境が悪い中、英国での新車発売計画が難航している自動車メーカーもあるが、テスラのModel 3は英国で発売されると、一気に売れ筋ランキングトップ3に名を連ねた。

Model 3は、ノルウェー、イタリア等の多くのEU諸国においても同様にヒットしている。2017年から、英、仏、ノルウェー、オランダ、ベルギー等の国ではガソリン車とディーゼル車の販売禁止という目標を制定し、多くの国では電気自動車の購入に対して補助金を出している。EV車普及率が最も高いEUはテスラにとって世界第2位の市場である。今年の第3四半期に、オランダ1国だけで、Model 3のグローバル販売台数の約10%(7547台)が販売された。

グローバルでのテスラの販売状況 図は国海証券(SEALAND SECURITIES)による

一方、粗利率が低いModel 3がModel S/Xの売り上げ分と相殺となってしまい、テスラにとって、Model 3が売れれば売れるほど赤字が深刻になるという状況になっている。

テスラは現在黒字転換直前の重要時期である。ミドルクラスのModel 3によってテスラの世界的販売規模が形成されつつあり、今後の利益も予測可能となっているが、勝負の鍵はテスラが引き続きModel 3の販売市場の開拓ができるかどうかにある。

テスラの全世界における販売拡大スピードは加速しており、従来の市場はもちろん、新規市場も開拓し続けている。

EUでは、ドイツでテスラ工場の建設を始めている。米国から輸送するときの物流の負担とコストの低減を目指す。また、世界で第3位の市場であるアジアでは、CEOイーロン・マスク氏は中国を最大の単独市場にすることを計画しているという。テスラの上海工場はまもなく稼働開始予定で、地方政府と現地企業から政策、資金面のサポートを受けているため、準備体制は万全だといえる。また、Model 3は既に韓国で発売されており、補助金を考慮した場合の販売価格は19万元(約290万円)となっている。

テスラはまた、EV車普及率が比較的低い東欧市場への進出も開始している。現在、ポーランド、ルーマニア、スロベニア、ハンガリーではテスラの3車種の予約が可能で、2020年に納車予定だ。

また、テスラの急成長を受け、アウディ、ジャガー、ポルシェ等の高級車メーカーがテスラのModel S/Xと同格のモデルを発表し、フォルクスワーゲンもまもなくミドルクラスのEV車ID.3を発売する。今後、多くの自動車メーカーがテスラのModel 3と同格のミドルクラスEV車を発売することが見込まれる。

投資家がテスラの黒字化に期待して既に10年経過した。テスラは成長を加速せざるをえない時期を迎えたのかもしれない。
(翻訳:小六)

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