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24時間営業の無人ビリヤード場を運営する中国のベンチャー企業「杭州酷享玩家科技」がこのほど、エンジェルラウンドで未名海基金から1000万元(約2億円)を調達した。
酷享玩家は2022年12月に設立され、スマート技術を駆使した会員制無人ビリヤード場「豆豆台球」(台球は中国語でビリヤードの意味)を運営している。これまでに北京市・天津市・河北省の京津冀エリアや杭州市などで20店舗余りを開設してきた。
中国ではここ数年ビリヤードの人気が急上昇している。特に2023年は、中国式ビリヤード「チャイニーズエイトボール」がプロ種目として確立した記念すべき年と言われている。同年3月に河北省秦皇島市で開催された第11回世界チャイニーズエイトボールマスターズでは、優勝賞金がそれまでの100万元(約2000万円)から500万元(約1億円)に引き上げられ、40の国や地域から参加した選手198人が競い合った。この優勝賞金は世界のビリヤード大会のなかで最高額となっている。
こうした盛り上がりのなか、中国ではビリヤードを楽しむ人も多様化する傾向にある。豆豆台球の共同創業者・張家輝氏の話では、30歳以下の若い世代がメインだが、親子連れなど新たな層も増えているという。
しかし、これまでのビリヤード場は薄暗くてタバコ臭く、メンテナンスも行き届いていないなど、快適さとはかけ離れた状態だった。しかも経営者は家賃を浮かせるため、地下の物件を利用することが多かった。
豆豆台球では、より快適なプレー環境を目指してビリヤード場の改善を進めた。南北に風が通る物件を選んだ上で排煙システムを導入して2種類の換気方法を確保したほか、室温管理を一元化するなど、快適な空間をつくり出している。
さらに、ビリヤード場のメンテナンスや日々の清掃業務についても、厳密な標準作業手順を定めた。例えば、手球をはじくキューの先端にある革製のタップは、高さや幅、粘りのわずかな違いが使用感や寿命に影響するため、タップのメンテナンスだけでも10以上の手順があると張氏は話す。キューやビリヤード台などの設備についても、それぞれにメンテナンス基準を設けている。
豆豆台球はコンパクトな無人ビリヤード場という特色を打ち出す。主力の店舗タイプはビリヤード台を4~6台設置できる広さ120平方メートルほどで、無人運営と効率的なメンテナンスでコストを削減し、圧倒的なコストパフォーマンスを実現した。加えて、これまで主流だったカードにチャージする方式ではなく、月額9.9元(約200円)という手頃な会員システムを採用した。
豆豆台球のユーザー定着率は週単位・月単位でいずれも30%を超えている。ユーザーの多くは若い男性で、1回の利用時間は平均2時間ほど。2人でも、もっと大勢でもプレーできるビリヤードは、友人たちと安く楽しめる気晴らしになっている。アフターコロナで消費が低迷するなか、手頃なビリヤードの人気は目に見えて高まっている。
今年は1000店舗オープンを目標に掲げている。店舗運営には店長1人と経営エキスパート6人からなるフルマネージドサービスを採用、立地選定から集客、メンテナンス、運営まで全てを豆豆台球が受け持ち、高い利益を実現する。一元管理やプロモーションが十分に機能しているおかげで、フランチャイズ加盟店の75%以上が2店舗目を展開しているという。
*2024年4月18日のレート(1元=約21円)で計算しています。
(翻訳・畠中裕子)
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