中国河南省の三輪バイク、海外で爆売れ インドやブラジルなどへの輸出も好調

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中国で原動機付三輪自動車(三輪バイク)は、「三蹦子(サンボンズ)」という愛称で呼ばれている。ディーゼルエンジンがかかると「ボンボン」と音をたて上下に揺れるからだ。今年、世界各国で三蹦子を運転する短編動画がSNS上で拡散された。動画に登場する三輪バイクの多くは、河南省洛陽市偃師区で生産されたものだった。
 
同区にある三輪バイクメーカーの洛陽珠峰華鷹三輪摩托車を取材した日は、ちょうどタジキスタン人のバイヤーがオンラインで同社の営業担当と交渉をしていた。バイヤーは「今年注文した三輪バイクは千台だが、入荷後即完売したので、さらにワンロット追加発注する予定。貨物配送用のモデルがよく売れる」と話した。
 
同社は省西部最大の三輪バイク輸出企業で、年間輸出額は2億元(約40億円)を上回る。今年に入って、主要新興国BRICSの加盟国(中国除く)からの注文が急速に増え、全体の3割を占めるまでになった。
 
李鵬飛副総経理は「わが社は、輸出先の特性に合わせた車種を製造している。例えば、エジプトやアラブ首長国連邦(UAE)向けには、観光業に従事する人が多いため、見た目も乗り心地も良い観光用ミニセダンを生産しているが、ロシア向けには、主に貨物輸送に使われることが多いため、ガソリン三輪バイクを輸出している。後部荷台の寸法や燃料タンクを若干調整して、耐久性を向上させている」と紹介した。
 
同区は国内で三輪バイクの産業チェーンや関連システムが最も整った地域の一つであり、区内にはバイクメーカーが15社、部品メーカーが200社余りある。部品が全てそろっていれば、組み立てには最短で15分程度しかかからない。
 
偃師区先進製造業開発区産業発展部の薛帥軍部長によると、同区の三輪バイク産業は1990年代に始まった。昨年の三輪バイクの生産・販売台数は約40万台、部品は約2千万点(組)に上り、業界全体の売上高は約45億元に達した。東南アジアや中央アジア、アフリカ、南米などに輸出し、うちBRICS諸国向けの輸出額は2億8千万元となった。
 
製品開発については、地元メーカーが大排気量の貨物三輪車、オフロード三輪車、観光用三輪車のほか、清掃用や物流用、消毒用、緊急対応用などの特殊車種を開発している。顧客のニーズに応じて、三輪車にはオーディオやスマホホルダー、USBポートのほか、多言語対応の警報音声なども徐々に標準装備するという。今年9月末時点で、同区の三輪バイクの輸出額は5億元(約100億円)を上回った。

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(新華社鄭州)

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