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中国ネット大手の百度(バイドゥ)は2月18日、2024年12月期決算を発表した。売上高は前年から1%減少して1331億元(約2兆8000億円)、純利益は17%増の238億元(約5000億円)、非GAAPベースの純利益は6%減の270億元(約5700億円)となった。
10~12月期の売上高は前年同期比2%減の341億元(約7200億円)、純利益は100%増の52億元(約1100億円)、非GAAPベースの純利益は13%減の67億元(約1400億円)だった。
2024年はマーケティング・広告事業の伸びが引き続き鈍化する一方で、好調な人工知能(AI)クラウドサービス「百度智能雲(Baidu AI Cloud)」が業績を支えた。百度は今後もAIクラウドや自動運転、基盤モデルなどの高成長分野に注力する方針を明らかにした。
百度は、独自の大規模言語モデル「文心(ERNIE)」や生成AIサービス「文心一言(ERNIE Bot)」などを提供し、中国のAI業界をリードしてきた。2024年は百度智能雲のAI関連の売上高が前年の約3倍に拡大し、文心一言の利用回数は1日平均16億5000万回まで伸びた。
しかし、2025年1月にAIスタートアップ「DeepSeek」のAIモデルが登場したことで、百度の先行者利益は失われつつある。主力のネット検索サービスが最も大きな打撃を受けるとみられる。同社のネット検索サービスの中国シェアはここ数年で大きく落ち込み、24年は52.79%で1位の座を維持したものの、21年の86.82%からは大幅に縮小した。
中国ネット大手の騰訊控股(テンセント)は2月16日、SNSアプリ「微信(WeChat)」にDeepSeekの推論モデル「DeepSeek-R1」を試験導入し、「深度思考(ディープシンキング)」サービスを提供すると発表した。10億人以上のユーザーを抱えるスーパーアプリ、微信のAI検索機能が向上すれば、百度の検索サービスの脅威となる可能性がある。
百度も2月16日、検索サービスに文心一言とDeepSeekのAIモデルを導入し、より高度な検索サービスを提供すると発表した。
*1元=約21円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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