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10月末、「京東集団(JD.com)」傘下の新しいソーシャルECプラットフォーム「京喜(JIX.JD.COM)」が、微信(WeChat)の「購物(ショッピング)」メニューの最上位階層に正式に実装され、ショッピングメニューボタンを押すと京喜のウェブページが直接開くようになった。京喜は携帯版QQとの接続、ミニプログラム、アプリ、モバイル版などに続き、全販売チャネルの準備を整えたことになる。
京東商城の徐雷CEOは今年の「618」のセール期間中、第3四半期にテンセントと共同で新たなソーシャルECプラットフォームを立ち上げることをすでに表明していた。9月中旬には、京東の共同購入型アプリ「京東拼購」およびそのミニプログラムが「京喜」に名称変更され、サービスがスタートしている。
京喜が京東の既存のビジネスモデルと異なるのは、京東のメインサイトで扱う商品との重複を避けるため商品を一から開拓している点と、地方都市市場に特化し、メーカー直販と圧倒的なコストパフォーマンスを全面に押し出している点だ。京喜のページには「9.9元(約150円)の商品が送料無料、クリアランスセール、1元(約15円)均一商品」といった地方都市市場向けの販売でよく見かける売り文句が並ぶ。
「メーカー直販」は今後、京喜の重点となり、現時点ですでに100の生産工場と契約済みだ。また運営面では旧・京東拼購の事業チームに加え、今年下半期にソーシャルEC部門に関する社内での人員補充と社外からの人材募集が実施された。
今年に入り、旧・京東拼購は出店者からの手数料を1%から0.6%まで段階的に引き下げた上で、全商品ジャンルの出店者に対しプラットフォーム利用料を無料とした。京東のメインサイトの電化製品を例に挙げると、出店者の手数料は通常5~8%だ。手数料の引き下げは、地方都市市場での事業拡大を急ぐ京東の焦りの表れだといえる。
「京東は京喜と共に地方都市市場を狙う。これが京東内部会議で伝えられた戦略だ」。同社関係者はこう語った。
目下、京東商城の地方都市市場に特化した業態には、中小小売店向けに発注サービスを提供する「京東新通路」、家電製品やデジタル製品に特化した実店舗「京東電器」および「京東電脳数碼専売店」などがあり、現在は京喜と同じく重要な地方市場戦略の一つとなっている。
京喜が微信に正式に実装された当日は、ちょうど11月11日の独身の日(「双11」)にちなんで開催されたセールイベント「全民京喜日」の初日であり、初参戦となった京喜の受注数は開始1時間足らずで100万件を超えたという。そのうち、三~六級都市の新興市場に住む新規利用者からの注文は、当日の京喜の新規利用者の74%を占めた。新規顧客の獲得や地方都市市場の開拓の効果は徐々に表れ始めている。
(翻訳・神部明果)
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