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中国のAI分野で最も重要な展示会である世界人工知能大会(WAIC 2025)が、7月26日から中国・上海市で開幕した。今年は例年以上の盛り上がりを見せ、入場チケットは早々に完売。多くの来場者が最新のAI技術と製品を体験しようと会場に詰めかけた。
主催者によると、WAIC 2025は過去最大規模になったという。4つの会場を使用し、展示面積は7万平方メートル以上、企業800社以上が参加し、40種類以上の大規模言語モデル(LLM)と90種類を超えるAIロボットが一堂に会した。
近年、AIロボット分野はスタートアップや新製品が次々に登場し、最もホットな領域のひとつだ。今年のWAICでもその存在感は圧倒的で、来場者は未来を感じさせる最新ロボットの数々に目を奪われた。本記事では、会場で特に注目を集めた企業やロボットをピックアップして紹介する。企業数が多いため、上下2回に分けてお届けする。
宇樹科技(Unitree Robotics)
スマートデバイス展示エリアで特ににぎわっていたのが、ユニコーン企業Unitree Roboticsのロボット格闘ショーだ。ブースの周りには幾重にも人垣ができ、足を止める来場者が後を絶たなかった。
リング上では2台の人型ロボットがボクシンググローブとヘッドギアを装着して、白熱したバトルを展開、たまに空振りしながらも激しいパンチの応酬が続いた。蹴られた1台は倒れながらも、すぐさま体をひねって起き上がり、ふらつきながらも闘い続けるその姿に、観客から大きな歓声が上がった。
智元機器人(Agibot)
ロボット業界を代表するもう1社のユニコーンAgibotの展示スペースは300平方メートル、参加したロボットメーカーのうち最大の広さだった。
車輪移動型ロボット「精霊G1(Genie-1)」は、さながら展示スタッフのように記念品を来場者に配り、記念スタンプを押すなどの接客をこなしていた。また、人と協力してプレイするカーリングのゲームでは、ストーンの位置を認識して柔軟に作戦を変えるスキルも発揮した。
傍らでは「遠征A2-W」が黙々と荷物を運んでいた。箱が多少傾いていても、自律的に修正して作業を続けることができるのは注目すべき点だ。また、ロボットハンド「OmniHand」も展示され、ピアノ演奏を披露したり、人間とじゃんけんをしたりしていた。エンターテインメント性と実用性の両面を感じさせる展示だった。
同社のエンボディドAI事業トップ・姚卯青総裁は「北米、欧州、中東、日本、東南アジアなど世界各地のパートナーと提携し、現地化とグローバル展開を加速している」と語った。
銀河通用機器人(Galbot)
AIロボット分野におけるトップランナーのGalbotの展示ブースでは、ホイール移動型の人型ロボットが売店の店員役を務めた。来場者がiPadで商品を選ぶと、ロボット店員がオーダーに応じ、商品がぎっしりと並べられた棚からパンやゆでたまご、ボトル飲料、ゼリーなどを選び取って手渡す。
このように比較的複雑な環境でも安定した動作を可能にしたのが、エンドツーエンド(E2E)のエンボディドAI向け基盤モデル「GroceryVLA」だ。運用においては遠隔操作を必要とせず、事前のシーンデータ収集すら不要で、高い汎化能力を存分に発揮した。
さらに、ゴミを拾う犬型ロボットも披露した。投げ捨てられたペットボトルを素早く認識し、正確に回収する姿は、サービスロボットの新たな可能性を示した。
擎朗智能(KEENON Robotics)
配膳ロボットや清掃ロボットで知られるKEENON Roboticsの展示ブースは、ブースにバーや劇場を再現。そこではスタッフとして働く二足歩行ロボット「XMAN-F1」にポップコーンや冷たいドリンクなどを作ってもらうことができる。
バーではバーテンダーの「XMAN-R1」がオーダーを理解し、ボトルを見分け、グラスに氷を入れて酒を注ぎ、両手で手渡すというパフォーマンスを見せてくれた。
劇場ではXMAN-F1が壇上でマイクを握り、自らパワーポイントを使って製品のプレゼンをして自分を売り込んでいた。マルチモーダルなコミュニケーション、LLMおよび意思決定システムの能力をフル活用したデモンストレーションだった。
千尋智能(Spirit AI)
Spirit AIの体験ブースでは、来場者がQRコードをスキャンして注文すると、人型ロボット「Moz1」が各種のドリンクを認識し、位置を確認してしっかりとつかみ手渡してくれる。ロボットが用意したドリンクは、味も一段と格別だと感じた来場者も多いだろう。
他の企業がロボットに仕事をさせていたのとは違い、Spirit AIはロボットが遊ぶ様子も紹介していた。Moz1は立体迷路ゲームをしたり積み木を積んだりして遊び、来場者が遠隔操作を体験することもできる。体験してみたところ、自分の動きに対してロボットがほぼ遅延なく反応する精度の高さに驚かされた。
普羅宇宙(PL-Universe Robotics)
PL-Universeのロボット「大白」はランダムに配置されたねじ締め作業を実演して見せた。このロボットは、12秒間に4つの精密部品の組み立てを完了できるという。
WAICの会場では、このほかにも多彩なロボットたちがプレゼンや演奏を行い、観客を楽しませていた。後編では引き続き注目のプロジェクトを紹介するので、どうぞお楽しみに。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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