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ナノ構造で光を制御する「メタレンズ」を開発する中国企業「邁塔蘭斯(MetalenX)」がこのほどシリーズAの追加資金調達を実施し、小米集団(シャオミ)の投資部門や順為資本(Shunwei Capital)などから数千万元(数億円)を得た。資金は、メタレンズの生産ライン建設、赤外線レンズの生産能力拡大、可視光対応レンズの開発と量産に投じられる。
2020年設立のMetalenXは、自社開発した設計ソフトウエアを基盤に、メタレンズの光学設計から製造までを一貫して手がける。主力の赤外線レンズに加え、可視光対応の新製品や光コンピューティング向け応用まで事業領域を広げている。
メタレンズは、特殊な電磁特性を持つナノサイズの構造体を二次元的に配列した平面レンズで、入射光の振幅、位相、偏光などを調整できる。薄型・軽量でコストパフォーマンスや安定性に優れることから、将来的にスマートフォンのカメラや車載デバイス、XR機器(AR/VRデバイス)、各種センサーなど幅広い分野での活用が期待される。
電子機器や車載機器、ドローンなどの普及により、光学レンズにはさらなる小型・軽量化やコスト削減が求められる一方、従来型レンズでは性能改善に限界がある。メタレンズはこうした課題を克服し、半導体製造プロセスを用いた効率的な量産が可能である点も強みだ。
MetalenXは業務用の赤外線レンズを中心に製品を展開しており、遠赤外線向けでは温度測定やセキュリティ、近赤外線向けでは顔認識や3Dスキャンなどに使うレンズをすでに量産化した。
市場の大きな成長が見込まれる可視光対応レンズでは、電子機器や自動車などに使う小型でコストを抑えた製品の開発を進めており、来年の量産化を目指す。また、イメージセンサー向けの製品も開発している。例えば、密着イメージセンサー(CIS)にメタレンズを使うと、集光効率が2~3倍に向上し、画質改善が可能となるため市場拡大が見込まれる。
さらに光コンピューティング分野への進出も始めており、メタサーフェス技術を光量子コンピュータチップに応用し、人工知能(AI)に不可欠な高性能演算基盤の構築を目指している。初代製品は来年にも投入する計画だ。
今年1月、浙江省湖州市に世界初となるメタレンズ量産工場を竣工。敷地面積は6000㎡で、月間数百万枚の受注に対応可能な体制を整え、すでに稼働を開始している。
*1元=約21円で計算しています。
(翻訳・大谷晶洋)
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