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電気自動車(EV)の検査ソリューションを手がけるスタートアップ「清研精准(Tsing Standard)」は、5月に陝汽集団系の陝汽キャピタルから戦略投資を受けた。資金は、主に製品開発や市場拡大に充てられる。2024年7月にも、長城汽車(GWM)傘下の長城資本から数千万元(数億~十数億円)を調達している。
清研精准は2018年に、清華大学蘇州自動車研究院のインキュベートによって設立された。EVに搭載されるハードウエアとソフトウエアの試験や測定に注力しており、「開発—量産—アフターサービス」まで車両ライフサイクル全体をカバーする検査プラットフォームの構築を掲げる。
EV市場の拡大と検査ニーズ
ここ数年、EV市場の規模は急拡大している。高い品質が求められる中、清研精准が注力している検査ツールは、開発効率の向上や品質の確保、アフターサービスの強化を実現するためのカギと期待されている。
同社の事業は大きく、①ネットワークシミュレーション、②完成車・電池・部品の検査、③アフターマーケット検査・関連サービスの3領域で展開。
完成車の検査では、電池・モーター・電気制御システム(三電システム)、シャシー、自動運転、コックピット、通信などの検査装置を開発した。電源のオンとオフ、加減速、トルクの調整、充電、故障シミュレーションといったEVの機能を検査するほか、車両の最高速度、加速性能、航続距離などの指標を測定できる。
例えばシャシーの検査装置は、インテリジェント・シャシーとそのサブシステムを対象として、ECUレベルやシステム全体といったさまざまな範囲で検査が可能なうえ、エアサスペンション、油圧アクティブサスペンション、電子制御サスペンションなどの検査にも対応している。
電池の検査では、開発・製造工程における充放電や総合機能、バッテリー管理システム(BMS)など性能と機能の検査ソリューションを電池メーカーに提供し、検査工程の自動化を後押ししている。
アフターサービス分野では、EV特有の高電圧アーキテクチャに対応した独自の検査・メンテナンス装置を投入。大規模データとディープラーニングを用いた故障診断システムで、駆動用電池の迅速診断と修理提案を支援する。
同社の提携先は、吉利汽車(Geely)、比亜迪(BYD)、広州汽車(GAC)、奇瑞汽車(Chery)、中国一汽(FAW)、長城汽車に加え、新興EVメーカーの理想汽車(Li Auto)、小鵬汽車(Xpeng Motors)、蔚来汽車(NIO)など自動車各社、電池領域では寧徳時代(CATL)、国軒高科(Gotion High-Tech)、蜂巣能源(SVOLT Energy)、欣旺達(Sunwoda)など50社以上に上る。
今回の陝汽キャピタルによる出資により、同社は商用車領域での連携を強化。陝汽グループの各社と連携し、NEV/スマート商用車の技術開発から生産・アフターサービスまでを一体化する体制づくりを進めるとともに、将来的には分散型評価・管理システムの共同構築にも取り組む方針だ。
(36Kr Japan編集部)
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