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2019年11月26日~27日、スタートアップやIT業界に特化した中国の最大級メディア「36Kr」は、北京国際会議中心(China National Convention Center)において、新経済時代のイノベーションを考察するイベント「2019WISE新商業大会」を開催した。本大会では13会場を設けて100人以上のニューエコノミー関連企業のトップを招待し、新しい技術やその応用シーンが既存産業をどのように変化させ、融合していくかが重点的に取り上げられた。
「匯客多」は2015年設立。ニューリテールに照準を定め、小売りの実店舗向けにオフライン・オンライン(O+O)スマート店舗運営システムをSaaSで提供している。
同イベントでは匯客多の創業者である崔闖CEOが登壇し、匯客多のサービスの特徴と強みについて語った。以下は、その抄訳である。
匯客多は創業以来、主に二級以下の地方都市にある8600万あまりの小売店を顧客としてきた。私たちの願いはSaaSサービスを通じてユーザーがO+Oでの店舗運営、売上管理、販売促進などが簡単にできるようになり、より早く利益が出せるようになることだ。
匯客多は2015年に設立されたが、その頃ニューリテールという概念はまだ明確ではなかった。模索していく中で、B to Bサービスについて長年の経験を持つコアメンバーによってSaaS 形式のO+Oスマート店舗運営システムが産み出された。このシステムはリリース後、95%の顧客が星5つと評価した。
しかし、安定した発展の中で我々は創業時の初心を忘れかけていたのかもしれない。SaaSの利用価格を1万9800元(約31万円)からとしたが、この価格設定は90%の小売店を排除することを意味した。試練の時を経て市場での位置づけを考え直し、我々は安定を捨て再出発することにした。
システムを10倍軽く動くようにし、価格を10分の1に下げ、ユーザーエクスペリエンスを10倍に高めれば、市場で成長できる可能性は1万倍になる。私たちの目標は小売店がみな匯客多を利用できるようになることだ。
この2年間、インターネットサービスでは「ニューリテール」がブームであった。2017年、アリババが生鮮食品チェーン「盒馬鮮生」を戦略部門と位置づけ、オンラインとオフラインの融合を実現し、伝統的小売り業をスマート化したニューリテールへと転換させた。テンセントもまたニューリテールへの出資と参入を加速しており、このような大手企業の参入は、私たちの方向性の正しさを裏付けている。同じタイミングで私たち匯客多も商品の最適化を完了し、商品機能の優位性を武器に、マーケットを拡大してきた。
この時、私たちは「危機」も感じた。最大の危機は、マーケットカバレッジの圧力である。以前は商品のリリースとサービスの向上だけに注力していたが、2019年下半期はマーケットカバレッジの拡大に力を注いだ。私が思うに、ニューリテールというのは「新しいもの」を盲目的に追求することではなく、小売店の効率を上げ、ユーザーエクスペリエンスを向上させることにより多くの意義がある。
ここ数年、多くのSaaSサービス創業者と会ったが、SaaS企業の環境は思ったほど良くない。サービスが専門的過ぎるか、あるいは機能が単一だったり複雑過ぎたりして、大きな環境の変化に順応しておらず、顧客の要望に応えてもいない。顧客に10の要望があったとしたら、従来のSaaSサービスは、それに対して100の機能を提供し複雑過ぎるか、あるいは1つの機能しかなく顧客を満足させられないかのどちらかだ。技術が進歩し、情報が透明化され、消費者の行動要件が増加するにつれて、従来のSaaSサービスのままでは、小売店の問題を解決したり弱点を改革したりできなくなる。私たちは商品開発の中でこれらの問題を発見した。だから私たちは小売店の要望が10あったら、10の機能、あるいはどんなに多くても15までの機能しか提供しないと決めている。これによって私たちは小売店の需要を満たし、同時に簡単に操作できるシステムを実現している。
私たちは顧客の需要を細分化する必要があると考え、取引先によって異なるバージョンのシステムを提供し、顧客の問題を解決している。この結果、商品をマーケットにリリースした後のフィードバックはとても良く、小売店側の受け入れ速度も非常に速い。
次に匯客多の成長要因について分析してみたい。
1)地方都市にターゲットを絞る
一級、二級都市はさまざまな資源と情報が飽和していて、インターネットユーザーも比較的成熟している。三~五級都市ではPCやインターネットがあまり普及していないのに、スマートフォンを使ったモバイルインターネットが急激に普及したことにより、小売店の情報や商品の受入能力が低くなり、この市場に大量にいるミドルクラス以上の消費者の要求を満足させられていない。情報と技術の浸透に伴い、三~五級都市にいるミドルクラス以上の消費者のニーズが明らかになってきた。店舗管理のスマート化は、ピンポイントに必要な機能と的確な位置づけがあれば急速に拡大する。
2)複数のバージョンとニーズに合わせたカスタマイズ
様々なレベルの顧客ニーズを満たす多様なソリューションを提供し、またどこでも使えて、効率的なパッケージソフトにし、リアルタイムのアフターサービスを提供する。
3)競合他社との差別化
全面的開放型のSaaSプラットフォームは、設備投資にかかるコストを削減し、革新的な提携方式により競合他社との差別化により優位を保つ。
私たちが一貫して持ち続けてきた目標は、小売りシステムの改革を通じて、データに裏付けられたスマート経営モデルを作り、小売り業界での共栄を実現すること、つまり店主、卸売業者、従業員の成功を後押しすることである。彼らの成功があってこそ私たちも成功できる。
匯客多が小売店スマート化の敷居を下げ、小売サービスの価値をより高めることを私たちは願っている。
(翻訳・普洱)
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