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愛媛県松山市に拠点を置く伊予鉄グループは、2026年1月から松山市中心部及び道後温泉周辺で、「レベル4(L4)」に対応した自動運転路線バスの運行を開始すると発表した。路線バスとしては全国初の試みとなり、深刻化する運転士不足への新たな解決策として注目が集まっている。
伊予鉄はすでに2024年12月から松山観光港―高浜駅間の限定エリアでL4のバス運行を先行して実施しており、その実証成果を踏まえ、より交通量の多い市街地へと運行範囲を拡大するものとなる。
運行を担うのは伊予鉄バスで、松山環状線と、新設される道後温泉―松山城を結ぶ2路線で運行を開始する予定だ。運賃は完全キャッシュレスで、環状線が一律230円。

今回導入されるのは、中国自動運転技術大手の文遠知行(WeRide)が開発した11人乗りの電気自動車(EV)バス2台。運行システムはソフトバンクグループ傘下のBOLDLYが提供する。車両には取り外し式のハンドルが設けられているが、営業運行中は原則として空席とする。当面は、万一の事態に備えて保安員が同乗し、将来的には完全な無人運行を目指すという。安全確保のため、営業所からの遠隔監視体制も構築されている。
2017年創業のWeRideは、ロボタクシーやロボバス分野におけるグローバルリーダーとして知られている。2019年には広州市で中国初の有料自動運転タクシーのサービスを開始。現在、中国国内に加え、UAE、シンガポール、フランス、米国など世界10カ国以上の30以上の都市で研究開発から実証、運用まで展開している。
WeRideの関係者は、日本では公共交通の運転士不足が深刻な社会課題となっており、同社が展開する自動運転ミニバスは、地域の公道や施設内でのシャトル運行など、幅広い用途で活用できると説明する。すでに欧州市場では実証や商用化が進んでおり、日本でも高い導入の見込みがあるという。
(36Kr Japan編集部・茶谷弥生)
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