「空飛ぶクルマ」が高速鉄道同等の料金に?中国eVTOLの新星、世界初「ティルトウイング型」発表

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中国の電動垂直離着陸機(eVTOL、空飛ぶクルマ)メーカー「天翎科(INFLYNC)が、製品の実用化と商用化に向けた検証を急ピッチで進めている。

上海市で開かれた「中国国際輸入博覧会」初日の11月5日、同社はフラッグシップ機として世界初のティルトウイング型eVTOL「L600」のフルサイズモデルを発表した。2023年10月に会社を設立してから、わずか2年で製品発表を成し遂げた。

INFLYNCが注力するティルトウイング型eVTOLは、機体に対して翼全体を傾ける構造となっているため、現在主流のティルトローター型よりも技術的難易度が高い。L600では、円筒形のダクトにファンを組み込んだ「ダクトファン」が両翼に計20個搭載され、垂直離着陸と効率的な巡航を支える。また、特殊な形状と空力パーツが騒音を抑えるため、都市部での飛行に適しているという特長もある。

創業者の蒋彬CEOの説明では、L600の離着陸時の騒音はわずか56デシベルで、ヘリコプターなどに比べてはるかに低い。技術スタッフによると、L600の飛行制御システムは自社開発し、ハイブリッド方式の航続距離延長システムを採用。1回の充電で複数回の離着陸が可能で、最大航続距離は600キロ、最高巡航速度は時速360キロに上り、6人が搭乗できる。たとえば、上海から安徽省合肥までの400キロを約1時間半で移動できる計算だ。将来的には、高速鉄道と同等の利用料にできる見通しだという。

蒋CEOは今回の発表会で、医療救援や旅客輸送、貨物輸送などさまざまな用途に応用できるL600のキャビン「天帆」のコンセプトイメージも発表した。

「L600」のキャビンのコンセプトイメージ

INFLYNCは発表会の会場で、貴陽市低空産業発展、陕西直昇機股份、海南広亜通用航空、英EFI Aviationのほか、来年上海で開かれる「2026国際低空経済博覧会」とそれぞれ戦略提携を結び、計400機近くの注文意向を獲得した。年初に発表した500機の注文意向と合わせると、獲得済みの注文意向は1000機近くに上る。

近くL600は試験飛行と型式証明取得の段階に進み、2028年にも乗客を乗せた商用運航をスタートする予定だという。

“15秒で担架搬入”7人乗りeVTOLが誕生 中国「Vision Aero」、医療救助用途で世界市場狙う

(翻訳・田村広子)

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