中国の低温物流・瑞雲冷鏈が20億円調達 三菱商事も出資、東南アジア展開を加速

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コールドチェーン(低温物流)サービスを手がける中国企業「瑞雲冷鏈(Ruiyun Cold Chain)」がこのほど、シリーズAの追加ラウンドで約1億元(約20億円)の資金調達を実施した。出資は広州産投(Guangzhou Industry Investment))が主導し、中僑実業(China Overseas Chinese Businessman Industry)も参加。資金は、コールドチェーンサービスのデジタル化や海外事業の開拓に充てる方針だ。

同社はこれまでに日本の三菱商事のほか、みずほフィナンシャルグループと深圳市力合科創集団(Leaguer)が共同設立したベンチャーキャピタル(VC)の瑞穂力合基金からも出資を受けている。

小口配送をデジタルで効率化

2020年設立の瑞雲冷鏈は、輸送、倉庫保管、プラットフォームサービスを網羅するワンストップ式のコールドチェーンソリューションを提供する。独自開発のオンライン輸送プラットフォーム「冷運宝(Leng Yun Bao)」を軸に、中国全土をカバーするネットワークを構築。すでに中国のBtoB市場でトップクラスの総合サービスプロバイダーとしての地位を固めている。

(画像は企業提供)

中国のコールドチェーン業界は、依然としてリソースが分散しており、市場の集約度が低い。地域による格差や標準化の遅れといった課題を抱える一方で、成長余地は極めて大きい。中国における果物・野菜、肉類、水産物の冷蔵輸送率がそれぞれ35%、57%、69%にとどまり、先進国の平均90%以上を大きく下回っているためだ。

創業者の鄭瑞祥CEOは、この需給の不均衡に着目して同社を立ち上げた。2024年時点で、同社のサービス店舗は10万店を超え、受注量は前年比で70%増と急成長を遂げている。

AI駆使し「データ主導」へ転換

同社は主に輸送ネットワークの構築、サービスのデジタル化、海外進出の3点に力を注いでいる。

輸送ネットワークの構築では、サービスの効率化と標準化を図るため、中国33カ所に小口貨物輸送の中継センターを設け、コア拠点間の定期便118本を開通。提携企業100社以上と加盟店700社以上をつなぎ、中国で1700以上の地域をカバーしているほか、23都市に倉庫を開設した。取扱量は1日当たり15万トンを超え、業界トップレベルの規模を誇る。

サービスのデジタル化では、「冷運宝」を通じて荷主18万社以上、ドライバー26万人、保冷トラック26万台をつなぎ、荷主と保冷トラックの自動マッチングや帰り便の利用率向上を可能にした。

また、注文から運営、管理までをカバーするデータシステムを独自に開発し、ビッグデータと人工知能(AI)を使った料金設定や配車、リスクアラート、輸送トラブル解決を実現。経験に頼って進めていたコールドチェーン業務をデータ主導へと転換した。

同社は2024年からクロスボーダー事業を開始し、現地の冷蔵コンテナ購入と地元企業との提携を通じて、各国の政策や通関手続きの違いがもたらすリスクの低減を図っている。すでに中国とラオス、ベトナム、タイ、カンボジア、シンガポール、マレーシアを結ぶクロスボーダー冷蔵輸送のほか、タイと香港で倉庫・配送サービスを展開している。

特にタイでは、物流ソリューションのSCGJWDロジスティクス、Golden Lineと共同で現地法人を設立し、中国のデジタル技術と現地の物流資産を融合させ、効率的な配送網を実現。

鄭CEOは、将来的にコールドチェーンの輸送ネットワーク、倉庫、サプライチェーンが統合されるとの見方を示す。「引き続きBtoB市場を深掘りし、コールドチェーンプラットフォームから生鮮食品サプライチェーンプラットフォームへの高度化を目指す」と、さらなる事業拡大に意欲を示している。

*1元=約22円で計算しています。

(翻訳・大谷晶洋)

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