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中国は現在、政策の提供や科学技術の活用など多方面からシルバー経済に力を注ぎ、大きな潜在力を持つ消費市場の活性化を加速させつつある。統計によると、中国では60歳以上の高齢者人口が3億1000万人を超えており、今年のシルバー経済(高齢者関連の経済活動)消費額は9兆元(約200兆円)に達し、2030年には20兆元(約440兆円)を超えると見込まれている。
江蘇省は、中国国内でも高齢化社会にいち早く突入し、高齢化が急速かつ深刻に進行している省の一つであり、24年末時点の高齢者人口は2175万人に上る。常住人口に占める割合は25.5%で、全国平均より3.5ポイント高い。
この巨大な高齢者人口規模が同省のシルバー経済発展の土台となっており、省内には現在、約4万社の高齢者介護産業関連企業があり、全国トップを誇る。同省は国内一流のシルバー経済発展拠点を作り上げ、高齢者層が発展の成果を享受することを目指しており、27年までにシルバー経済の産業システムを基本的に整備し、シルバー経済特色パークを10カ所以上建設する計画を立てている。
同省徐州市にある社区(コミュニティー)の高齢者食堂では、正午近くになると次第ににぎわい始め、職員が湯気の立つ温かい料理を忙しく盛り付ける。
同市民政部門の関係者によると、地元では多くの高齢者食堂が高齢者在宅介護サービスセンターと一体的に運営されており、囲碁・将棋室やカラオケルーム、映写室、書道室といった機能を持つ空間が設けられているという。
同省デジタル経済連合会の孫力斌会長は、社区の在宅高齢者介護サービスと農村の高齢者介護サービス体系が充実することで、「高齢者向けリフォーム」や「スマート高齢者介護」「高齢者向け食事支援」などより多くのサービスが推進され、健康・介護設備や遠隔医療、飲食・消費などの分野に新たな発展の機会をもたらすとの見方を示した。
現在、電子スクリーンやスマートフォン、スマートウエアラブルデバイスなどが中国の高齢者の日常生活にますます深く溶け込んでおり、スマート化されたサービスが高齢者介護サービスのあらゆる側面で急速に広がっている。同省では今年11月までに、高齢者延べ52万人を対象にスマートフォンなどスマート技術の研修を実施した。多くの省・市も、心の寄り添いやスマート介護、リハビリ・理学療法、安全巡回などの高齢者介護サービスロボットの研究開発を含む、高齢者向け製品製造業を発展させている。
また多くの旅行会社が、高齢者の旅行ニーズの特性に合わせて「旅行滞在型介護」「家族同伴旅行」「スローペース観光」などのユニークな商品を打ち出している。また、周辺都市と協力してシルバー向け観光専用列車を運行し、全行程での医療・看護スタッフの付き添いや、バリアフリー施設・設備保障などのサービスを提供することで、高齢者による旅行消費の潜在需要を更に掘り起こしている。【新華社南京】
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