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産業用モノのインターネット(IIoT)プラットフォーム「漢雲(hanyun)」の開発で知られる「徐工信息技術(Xugong Information Technology、Xreacloud)」はこのほど、シリーズAで3億元(約46億9000万円)の資金調達を完了したと発表した。リード・インベスターは「高瓴資本(Hillhouse Capital)」、コ・インベスターは「賽富投資基金(SAIF Partners)」など。これにより、親会社で中国最大の建設機械メーカーである「徐工集団(XCMG)」の同社に対する持株比率は60%から45%に低下した。
徐工信息は徐工集団が2014年にインキュベートしたIIoT企業で、2018年3月にベンチャー企業向けの店頭市場「新三板(NEEQ)」に上場。決算報告書によると、2018年上半期(1~6月)の売上高は前年同期比71.67%増の1億元(約15億8000万円)、純利益は1051万元(1億6600万円)に上った。
同社開発のIIoTプラットフォーム「漢雲」は、膨大な産業用データを収集、管理、分析して、産業向け物理モデリングやアプリケーション開発、データの可視化などを支援することで、産業用アプリの迅速な開発を簡便に行えるようにし、産業分野のさまざまなシーンでの需要に応えられる。機械製造や新エネルギー車、専用設備、物流、コア部品など多くの業界で活用されている。これまでに、設備など固定資産の維持管理や、製造実行、技術の高度化、物流輸送のスケジューリング、アフターマーケットサービスなど20の業界向けサブプラットフォームを構築した。
北京市や上海市、江蘇省の徐州市や南京市、蘇州市、無錫市、広東省の佛山市にR&Dセンターや支社を設立し、IIoTの重要エリアに拠点配置を進めている。今年8月には、中国工業情報化部(工信部)が発表した「2019年の業界を跨ぐIIoTプラットフォーム10選」に選ばれた。
張啟亮CEOは、同社のように従来型の製造業を手がけてきた企業がIIoT分野を手掛ける上での優位性について、「メーカーのことならIT企業よりも我々の方が詳しい。製造現場のことをよく理解できるうえ、据え付けや配置といった現場の実情に応じて適切な調整を行うことができる。こうしたことは従来型のIT企業には難しいだろう」と指摘。実際の現場に落とし込むデータに「実用性」を持たせること、これこそが今のIIoT企業にとってコア・コンピダンス(核となる強み)になると同氏は考える。「IIoT企業の核心となるのは、実用的であることを踏まえた上で基礎技術を徹底することだ」と述べた。
携帯通信事業者の業界団体GSMAは、2018年に発表した『グレーターチャイナにおけるIIoTの発展』(The Industrial IoT in Greater China)の中で、世界のIoT市場(接続、アプリケーション、プラットフォーム、サービスを含む)の規模は2025年までに1兆1000億ドル(120兆2500億円)に上ると予測した。IoTの波が押し寄せるなか、異なるバックグラウンドを持つ企業――モバイルキャリアやIT企業、設備メーカー、システムインテグレーターなどがこの市場でパイの分け前にあずかろうと狙っているのだ。
調査会社の中商産業研究院(ASKCI CONSULTING)は、中国のIIoTの発展も従来の政府主導型から需要主導型へと徐々に移行しつつあると指摘。政策による後押しと需要の高まりを受け、2020年までにIIoTがIoT産業全体に占める割合は25%に拡大し、市場規模は4500億元(約7兆300億円)を上回るとの見通しを示した。
(翻訳・北村光)
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