ウエアラブルMRグラスの「Nreal」、アンドロイドアプリ対応の3Dシステム「Nebura」発表ーCES 2020

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

スタートアップ注目記事

ウエアラブルMRグラスの「Nreal」、アンドロイドアプリ対応の3Dシステム「Nebura」発表ーCES 2020

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

米ラスベガスで開催中の世界最大のデジタル技術見本市「CES2020」で、ウエアラブルMR(複合現実)グラスを開発する「Nreal(エンリアル)」が全く新しい3Dシステム「Nebura」を発表した。このシステムは全てのAndroidネイティブアプリに対応しており、このシステムを使ってMRグラス「Nreal Light」を装着すると、ユーザーはMR空間の中でインストールされたAndroidアプリまたは他のアプリを利用できるようになる。

このシステムの特長は次の3つだ。

1.  Nreal Lightに現実空間を感知し認識させることができる。これにより、デジタル画像がディスプレイに固定され、揺れたり消えたりしない。

2. リアルタイムでの共有体験を可能とする。Neburaは、Nreal Lightを着用した複数ユーザーを同じMR空間に同期させることが可能だ。各自のデバイスを通して同じゲームやプログラムに入ることができるので、友人とのインタラクティブなゲームプレーや同僚との共同作業が可能となる。

3. インタラクティブデバイスのカスタマイズを可能とする。NeburaでスマートフォンとNreal Lightを紐づけすると、スマホがコントローラになり、ユーザーは操作ややり取りができるようになる。 Nreal Lightは、米「Finch Technologies」の6DoFコントローラーや「南昌黒鯊科技(Black Shark)」のゲーミングスマホ、BLACK SHARK2 Helo専用コントローラーなどのにも対応している。

Nrealは、36Krがずっと注目してきたAR / MR製品の研究開発、生産、販売に注力するIT企業だ。2017年に北京で設立され、米MRグラス開発メーカー「Magic Leap」エンジニア出身の徐馳氏によって設立された。「光大控股新経済」、「華創資本(China Growth Capital)」、「愛奇芸(iQIYI)」、「洪泰基金(Aplus Capital)」、「順為資本(Shunwei Capital)」などから、 2017年にエンジェルラウンドで数百万ドル(数億円)、2019年にシリーズAで1500万ドル(約16億円)、シリーズA+で1600万ドル(約17億円)を調達している。

2019年1月、Nrealはスマホとリンク可能なAR / MRグラスのコンシューマーモデル「Nreal Light」を発表。重量はわずか88グラム、解像度は片目あたり1080P、視野角は52度だ。インサイドアウト方式でのポジショントレッキングに対応し、自由度は6DoF。米半導体メーカー「クアルコム (QUALCOMM)」の855チップとも互換性があり、販売価格は499ドル(約5万円)とした。同年9月には開発者キットが正式に販売され、中国での販売価格は9699元(約15万円)だった。コンシューマーモデルは2020年初頭に量産販売が実現する可能性があるという。

Nreal創業者の徐馳氏は製品の競争力について、軽量、低コスト、大量生産可能な光学部品の使用、AR / MRアルゴリズムの優位性がカギになると考えている。製品の活用に関しては通信事業者、スマホメーカー、コンテンツプロバイダーと協力関係を結んでいる。 2019年には中国聯通(チャイナユニコム)、中国移動(チャイナモバイル)、中国電信(チャイナテレコム)、KDDI、韓国「LGU+」、スイス「Swisscom」などの国内外の通信事業者との提携を確立した。さらに、半導体メーカーのクアルコム や通信機器メーカーの「ZTE(中興通訊)」ほか、南昌黒鯊科技、「愛奇芸(iQIYI)」、「NetEase(網易雲)AR」、サラウンドシステムの米「DTS Inc」、日本のARコンテンツ開発会社「MESON」などとも提携するようになった。

調査会社IDCの推定によると、2022年までにAR / VR関連製品の総出荷量は6600万台に達し、そのうちAR製品はAR / VR市場の約40%を占めるという。 AR技術が成熟するにつれ、AR製品の単価は下がり、世界のAR市場は年平均成長率69%以上で増加。2024年までに世界のAR産業の市場規模は2872億元(約4兆4000億円)に達する見通しだ。

勢いのある市場でも横槍は免れない。2019年6月、徐氏が以前勤務していたMagicLeapは、同氏がMRグラスNreal Lightを迅速に開発できたのはMagic Leapの機密情報を使用したからだとして、同氏を相手に地方裁判所に訴訟を起こした。訴えの内容には契約違反、詐欺、不正競争が含まれる。最近になってNrealは、事実無根の疑いによる訴訟はNrealの迅速な発展を阻害するとして、Magic Leapの訴えを退けるよう連邦裁判所に請求したことを明らかにした。

この件はまだ審理中だ。2020年1月15日に米国カリフォルニア州で初公判が開かれる予定だという。
(翻訳・永野倫子)

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録