身体性AIのデータ不足に挑む。中国「PaXini」が巨大データ基盤を公開、クラウド大手3社と提携
エンボディドAI(身体性を持つ人工知能)データサービスを提供する中国スタートアップ「帕西尼感知科技(PaXini Tech)」はこのほど、電子商取引(EC)大手・京東集団(JDドットコム)傘下の「京東雲(JDクラウド)」、IT大手・テンセント(騰訊控股)傘下の「テンセントクラウド(騰訊雲)」、ネット大手・バイドゥ(百度)傘下の「百度智能雲(Baidu AI Cloud)」の大手クラウドプロバイダー3社と提携し、世界初となる百億規模の「エンボディドAI向けオムニモーダルデータクラウドプラットフォーム」を一般公開すると発表した。
同プラットフォームは、PaXiniが保有する5つの「超大規模データ収集工場」から得られる百億件規模の実世界データを基盤としている。これに、大手クラウド3社の計算資源(コンピューティング能力)とストレージ能力を組み合わせることで、エンボディドAI業界が長年直面してきた「データ不足」という課題を根本から解決することを目指している。
このプラットフォームは、世界最高水準で82の自由度を備えた人間の手の五指動作データを提供する。また、30個の6次元触覚モジュール(触覚ポイントの密度は最大3015)の情報を融合させることで、初めて「視覚-触覚-言語-動作」を統合したオムニモーダル閉ループを構築した。このソリューションは、従来の遠隔操作と比較すると、データ収集効率が3~6倍向上し、高価なロボット本体に依存する必要がない。
この能力の基盤を支えているのは、PaXiniが独自開発した「6軸ホールアレイ触覚センシング技術」に基づくフレキシブル力学センサー、そこから派生した手全体をカバーする触覚収集端末「PXCap」だ。PaXiniは空間視覚マトリクスと組み合わせることで、世界初の「人間中心(Human-Centered)」のオムニモーダルデータ収集システムを構築した。すべてのデータは厳格な時空校正(キャリブレーション)を経て、ミリ秒単位の精度を備えており、導入後すぐに制御モデルの学習に活用することができる。また、多種多様なロボット上でエンドツーエンドのアルゴリズム学習とデプロイ検証に対応しており、シム・トゥ・リアル・ギャップ(仮想から現実への適用の壁)を真に乗り越えることができる。

全プロセスをオンライン上で対応
ユーザーは、データの選定・購入から契約締結、支払い、受け取りまでの全プロセスをオンライン上で完結でき、購入後すぐに利用を開始できる。データ形式はLeRobotなどの業界の主要フレームワークと互換性を持ち、ワンクリックでクラウドアカウントへ移行して直接学習を行うことが可能であり、ローカルのコンピューティングリソースを必要としない。
同プラットフォームでは現在、100余りのSKU(最小在庫管理単位)が販売され、家庭生活、3C(コンピューター、通信機器、家電)製造、自動車組立、物流仕分け、飲食サービス、医療・介護など15の主要なシーンを網羅しており、継続的に拡充されている。

(36Kr Japan編集部)