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中国の通信機器大手ファーウェイは20日(現地時間)、英ロンドンで5G製品および関連ソリューションに関する発表会を行った。常務取締役兼通信事業者向けネットワーク事業部総裁のライアン・ディン(丁耘)氏が登壇し、同社がすでに60万基のアクティブアンテナ基地局(AAU)を出荷したこと、また世界の通信事業者との5G商用化契約件数が91件に上っており、うち47件は欧州、27件はアジア、残り17件がその他地区であることを明らかにした。
ファーウェイ以外の主要大手が発表した最新情報では、スウェーデンのエリクソンが契約件数81件、フィンランドのノキアが66件だ(いずれも発表時点での数字)。
ディン総裁は「5Gの進展は想定以上に速い。4Gは5年かけてようやくスマートフォン価格が300ドル(約3万4000円)以下に落ち着いたのと比較し、5G対応端末は当初の予想である今年第4四半期より早まり、昨年末には300ドルを切る機種が出ている」と述べた。
5Gが4Gよりも優れている点に関しては、「4Gは言語、動画、テキストを伝達するもの。しかし感情を伝えるには5Gが必須だ」とした。この日の発表会のテーマは「5Gがもたらす新しい価値」だったが、「気持ちを伝えられる」という点がまさにその新しい価値だと述べている。
VR(仮想現実)、AR(拡張現実)など、動画の形式も変化していく。例えば一眼タイプのVRで2K動画を視聴する場合は100Mbpsの転送速度が必要だが、これを実現できるのは5Gだけだ。超高精細映像は娯楽用途だけではなくさまざまな分野で活用できる。たとえばARを導入したショッピングなどだ。
通信事業体にとっては、今が5G事業のスキームを再定義する重要な時期だ。4G時代の競争は単一次元、すなわちトラフィックだけを争っていたが、5G時代はトラフィック、ディレイ、帯域幅、接続などより多くの物差しで争うことになる。
新しい通信体験を実現する上で礎となるのがネットワーク設備だ。ディン総裁は「ファーウェイは今年、重量25kg以下の業界最軽量のAAUを発表する。つまり欧州の多くの国で基地局の取り付けに起重機が不要となり、大幅にコストが削減できる」と述べた。このAAUは400MHz対応、出力は320Wで、ディン総裁によると欧州で最高の価値を発揮する周波数帯だ。欧州は中国や米国のような広大な領土を持つ国とは違い、数十にも及ぶ国の集合体である上に、国ごとに異なる周波数帯が入り乱れている。400Hzを採用すれば通信事業者にとっては省コストの一助になるという。
さらに、5Gを取り巻くエコシステム構築を加速させるため、ファーウェイは「5Gパートナーイノベーション計画」を発足させ、今後5年で2000万ドル(約22億4000万円)を投じて革新的な5G活用シーンの創出を支援する。
この発表会は、24日からバルセロナで開催予定だった世界最大のモバイル見本市「MWC 2020」が開催中止となったことを受け、急きょ会期を2日間に延長して開催された。MWCは新製品発表の場という以上に、欧州エリアの顧客との交流の場として重要な展示会だ。
(翻訳・愛玉)
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