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中国のペット産業はすでに数千億元(約数兆円)規模の市場に成長したが、まだ十分に掘り起こされていないニーズもある。その中、ペットの預かりも一つの課題となっている。例えば、犬の飼い主なら、外出する際に犬を連れて行くのか、連れて行く場合自分は室内に入る時、犬を一時的に預かる場所はあるのかとの問題が出てくる。
この問題に気づいたのが「寵等艙(Cabinpet)」という企業だ。同社は現在「犬のシェアハウス」というビジネスモデルを手掛けている。同様のサービスを中国国内で展開しているのは同社のみだが、米国には「Dog Parker」という似たビジネスモデルの企業がある。
ユーザーはCabinpetのスマホアプリでドッグハウスの予約、ロック解除、監視、評価等の操作ができる。アプリは安全性を最重要視した設計となっており、スマートアラート、位置情報、24時間ヘルプデスク、監視カメラ等の機能がある。また、ペットのデータを収集することもでき、ユーザーのロイヤルティを高めるためのメンバーシップシステムもある。
シェアドッグハウスは主にショッピングプラザ、レストラン、スーパー等の建物の屋外に設置されている。ドッグハウスは高さ122cm、幅83cm、奥行き90cmで、木造二重外壁があり、アラートシステムも備えられ、防犯性がある。ハウス内には監視カメラ、換気システム、柔らかな光の電灯があり、温度と湿度が一定の環境を保つことができる。使用後は自動紫外線殺菌とオゾン殺菌が行われる。
2019年に設立されたCabinpetは、最初に進出する都市を上海にした。現在、上海市の7つの地域に試用ハウスを設置しているが、新型肺炎の流行が始まって以降は拡張が減速した。今後の計画として、3か月で上海で500個のドッグハウスを設置する予定だという。2020年下半期は上海以外の1級都市にも進出する予定であり、ドッグフードの試食機能、商品の販売機能およびECも展開する予定だという。
シェアリングエコノミーと言えば、収益モデルが課題となる。Cabinpetはまず利用料収入がメインであり、10元(約160円)/時間と設定している。今後はドッグハウス本体およびオンラインアプリを広告の掲載媒体にする予定があるという。
また、同サービスの主なコストはドッグハウスの製造原価、および運営時の人件費である。商業施設にとって、同サービスは、集客ができ消費者体験を向上させることも可能であるため、設置場所は皆協力的である。そのため、場所代を比較的低く抑えることが可能だ。また、多くの犬はしつけがなっており、密閉空間で排泄する可能性が低く、かつ監視カメラが設置されているため、1名のスタッフが50の設置場所を管理することが可能だという。
収益モデルについて、同社CEOのCandy氏によると、今年春節直前に事業を開始したが、その直後に新型肺炎が始まったため、通常の1/4しか稼働していないが、集計したデータによると、現在、65%のユーザーが1カ月以内にリピートし、30%のユーザーの月次使用回数が3回になっている。このデータからみると、ドッグハウス本体の製造コストは40日で回収でき、利用料と広告収入をあわせれば、ドッグハウス1つあたり毎月3000元(約4万8000円)の利益が出るという。今後、事業規模の拡大につれ、データの販売とフランチャイズ展開による収入も大きくなると期待される。
(翻訳:小六)
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