中国大手菓子メーカー「百草味」、ペプシコーラの米ペプシコが買収

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2月23日、中国菓子メーカー「好想你棗業(Haoxiangni Health Food)」は、自社が100%の株式を保有するおやつブランド「百草味(Be & Cheery)」を米清涼飲料大手「ペプシコ」に7億500万ドル(約760億円)で売却したと発表した。百草味の持株会社が変わるのは、これで2度目だ。

2016年8月、好想你は9億6000万元(約140億円)で「郝姆斯食品(Haomusi Foodstuff)」から百草味の株式100%を購入、「スナック菓子ECでは中国初のM&A」と称された。

「円満な結婚」と見なされたこの関係が約3年で破たんするとは、誰が予想し得ただろう。百草味の取引価格はこの3年間で5倍に膨れ上がっている。

好想你はなぜ百草味を買収したか

好想你は1992年の創業から約20年経った2011年、レッドチップ(香港市場に上場されている中国企業で、資本は中国だが登記は香港の企業という株式)第一号へと成長した。しかし、2014年以降に成長は減速に転じ、純利益も減少し始めた。

販路が限られており、オフラインチャネルのコストが高騰続きで利益率が下がり、商品バリエーションに乏しく、同業他社が台頭したことなどが好想你の成長の足かせになっている。

好想你は百草味を買収したことで商品バリエーションを増やした。さらに「三只松鼠(Three Squirrels)」や「良品鋪子(BESTORE)」と並ぶ中国スナック菓子の三大ECブランドとなった。オールオンライン化へと大胆に舵を切り、百草味は急速にeコマースのノウハウを確立している。これらは好想你のオンライン戦略における弱点を補うこととなった。

当時、自転車操業状態だった百草味からしても、好想你からのオファーは渡りに船だった。再編後、百草味は好想你の第2位株主になった。調達した9億6000万元のうち、4億元(約61億円)を資金繰りに、残りをサプライチェーン構築に充てている。

今回のペプシコによる買収案件も「幸せな結婚」とみなされている。売り手側の好想你は4年を待たずして約40億元(約610億円)も手に入れたのだ。

2016年、好想你が百草味を買収した時、両社が結んだのはギャンブル契約(バリュエーション調整メカニズム、VAM)だった。百草味は2016~2018年の親会社に帰属する純利益がそれぞれ5500万元(約8億5000万円)、8500万元(約13億円)、1億1000万元(約17億円)を下回らないと確約した。

実際、その3年間で百草味はそれぞれ5600万元(約8億6000万円)、8700万元(約13億4000万円)、1億2000万元(約18億円)の純利益を達成し、好想你の稼ぎ頭となった。2016年から2019年上半期まで、百草味が貢献した売上高は好想你の総売上高のそれぞれ54.54%、75.68%、78.6%、および84.21%を占める。好想你が公表した主要資産売却報告書の草案でも、百草味が親会社の業績に貢献したことを認めている。

好想你はなぜ百草味を売却したのか

百草味が好想你の売上高に占める割合は年々増加している一方、売上高の成長率は低下している。2017年、2018年、2019年上半期の売上高成長率は172.57%、26.3%、15.12%で、これが好想你の売上高成長率を低下させた。

さらに、オンラインリソースの融合は想像したほど簡単ではなかった。

融合がうまくいかない上にコストがかかる。好想你は難しい決断を下したようだ。

ある投資家は「双方が業績でコミットした年数が過ぎ、好想你は百草味の業績低下を嫌って売却を選択したのかもしれない。それに、好想你と百草味の主要事業はかなり異なっている。両社の融合は非常に難しく、離婚につながった」と推測する。

ペプシコ大中華圏CEOのRam Krishnan氏は「最終消費者を直接管理する百草味の卓越した能力は、ペプシコがオンライン市場で成長するのに貢献するだろう。さらに百草味という地元ブランドとのコラボレーションにより商品ラインナップは充実、オンライン・オフライン双方の販売チャネルも最適化できる」と述べる。

簡単に言えば、ペプシコは百草味の多様な製品と長期にわたり磨かれてきたオンラインでの運営能力、それに中国の消費者にサービスを提供する能力を高く評価しているということだ。百草味の買収はペプシコにとって中国でのローカル化の一環なのだ。

百草味が評価したのは、ペプシコのブランド力、チャネル力、豊富な資金力だ。三只松鼠と良品鋪子が相次いで上場した今、百草味が直面するプレッシャーは小さくない。ペプシコは頼りになる買主かもしれない。
(翻訳・永野倫子)

作者:零售老板参考(ID:lslb168)、何寒秀

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