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ロボットの開発・製造メーカー「YOUIBOT(優艾智合)」は、2018年と2019年にそれぞれ数千万元(約数億円)の資金調達を行ったことを発表した。2018年のエンジェルラウンドでは、「英諾天使基金(Innoangel fund)」がリードし、「常見投資(C&I Capital)」、世界最大級のハードウェアアクセラレータ「HAX」が参加した。2019年のプレシリーズAでは「真格基金(ZhenFund)」がリード、HAXと常見投資が引き続き参加した。
資金調達前の2017年、YOUIBOTは路線バスのタイヤの安全点検を行う移動型ロボットを開発しており、すでに商用化されていた。3年後の今、同社より複雑な安全点検業務とスマート製造に使われるロボットを中心に開発している。
安全点検では、エネルギー企業をターゲット顧客としている。比較的リスクが高く、かつ高い精度を求められるエネルギー産業は効率性の向上が課題で、YOUIBOTはこの業界のニーズに沿ったレーザー誘導技術とロボットアームを独自開発し、現在発電所で使われ始めている。
YOUIBOTが提供しているのは、単なる点検サービスだけではなく、現場で人間の代わりに操作を行うことも可能なロボットソリューションである。中国では移動型ロボットの市場が拡大し、多くのスタートアップが参入してきているが、信頼性の高いソリューションを提供できるメーカーはまだ少ない。そのため、現在の移動型ロボットは売手市場の状態で、YOUIBOTのような技術的に優れている企業にとっては好機となっている。同社は現在、業界トップクラスの経営状況の良い企業にのみ製品を販売しており、代金の回収は順調だ。注文1件あたりの金額は少なくとも数十万元(約数百万円)、高い場合は数千万元(約数億円)に上る。
同社が狙うもう一つの市場は工場の場内物流(Transportation Management System、以下「TMS」と略称)である。自社独自のTMSシステムを開発し、大量のロボットの同時管理と、ロボットを工場のMES(製造実行システム)とマッチングさせることに成功した。2019年、YOUIBOTは発電所と場内物流での販売好調により安定したキャッシュフローを確保し、さらに公的支援もあって、売上債権の70%以上を回収することに成功した。
2020年、YOUIBOTは引き続きエネルギー産業と製造業における販売に注力した上で、年末頃に新たな市場を開拓していきたいとしている。2020年の予想出荷台数は300台以上で、これは量産化といえる数値である。同社はロボットの組立をアウトソーシングしており、組立に使われる部品のほとんどが規格品である。唯一規格品でなかった電池も、最近規格化開発が完了したという。
また、新型コロナ禍に際し、同社新製品「ARIS-K2」は、わずか14日間で設計から製造まで行われ、現在湖北省第三人民医院に配備されている。同機種は、昼間はサーモグラフィによる検温、夜間は紫外線による病棟の消毒を行うロボットだ。
中国のスマートロボット分野には注目すべき企業が多数出現しており、「Geek+(ギークプラス、極智嘉)」、「水岩(Water Rock)」、「馬路創新(MALU INNOVATION)」などがある。同社の張朝輝CEOは、同業他社と比べ、YOUIBOTはレーザー誘導の精度と安定性、各業種における管理システムの汎用性において強みを持つと考えている。
(翻訳:小六)
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