インテル、自動運転関連スタートアップに140億円を投資 うち中国企業3社

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5月13日、インテル傘下の投資会社「インテル・キャピタル(Intel Capital)」が11社のスタートアップに計1.32億ドル(約141億円)を投資することを発表した。

インテル・キャピタルは1991年に設立。一貫してAI、自動運転、データセンター、クラウド、5G、次世代のコンピューティング技術など、世界を変える可能性のある技術を開発するスタートアップに投資してきた。今回の11社の国別の内訳は米国が7社、イスラエルが1社、中国が3社である。中国の3社はAI製薬の「江豊生物(KFBIO)」、半導体の「概倫電子(ProPlus Electronics)」と「博純材料(Spectrum Materials)」だ。

概倫電子は電子設計自動化ツール「EDA」を手掛けており、主要業務は集積回路設計とインターフェースの開発である。製品にはSPICEシミュレータ(電子回路シミュレータ)、SPICEモデリングツールの「BSIMProPlus」、低周波ノイズテストシステムなどがある。4月2日の報道によれば、同社はシリーズAで数億元(約数十億円)資金調達を行い、「興橙資本(Xingcheng Capital)」とインテル・キャピタルがリードインベスターとなった。調達した資金は海外拠点の設置と中国国内向けのEDAの強化に使われる。

博純材料は半導体工業用ガスと素材のメーカーであり、超高純度ゲルマニウム水素化物製造基地を自社所有している。主要業務は半導体工業用ガスの製造、半導体工業用ガスの供給システムの設計と施工であり、同社の製品はチップの製造にかかせないものである。米国、韓国、日本の企業がこの分野で圧倒的なシェアを誇っている。

インテル・キャピタルは1998年から中国で投資を開始し、これまで140以上の中国企業に21億ドル(約2200億円)超を投資してきた。2019年は4.66億ドル(約500億円)を投資し、うち新規投資が36項目、追加投資が35項目だった。2020年はAIや次世代のインターネット技術分野の企業に3億〜5億ドル(約300億〜500億円)を投資する予定だと発表している。

ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、トランプ政権はインテル、台湾の半導体大手TSMC社と米国でチップ工場を新設することを協議しているという。チップは自動運転の中核となる部品であり、かつPCと自動車が使うチップは設計、製造工程における違いが大きいため、インテルは買収や外部との提携などで自身の不足を補おうとしているのである。

2017年、インテルはイスラエルの自動運転スタートアップ「Mobileye」を153億ドル(約1兆6000億円)で買収。その前にはFPGAチップ(製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路)大手の「Altera」、コンピュータビジョンアルゴリズムの「Movidius」を買収しており、自動運転チップの開発に必要な技術を揃えている。Mobileyeの「EyeQ」シリーズチップは25の自動車メーカーの300車種に搭載されており、6000万台の車両に先進運転支援システムを装備している。

インテルは、5月4日には9億ドル(約1000億円)でイスラエルの都市交通データスタートアップ「Moovit」を買収すると発表。Moovitのデータ収集力を使い、Mobileyeの機能をさらに向上させる狙いだ。

(翻訳:小六)

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