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中国の人気ティードリンク「HEYTEA(喜茶)」は18日、WeChat公式アカウントで、人工肉を使ったチーズバーガー「未来肉芝士堡」の発売を発表した。代替肉メーカー「Starfield(星期零)」との提携の結果だ。オーブンが設置されている中国国内の全店でこのバーガーを味わうことができる。取扱店はHEYTEAのミニプログラムで確認できる。
「未来肉」チーズバーガーの販売価格は25元(約380円)。HEYTEAは初めて中国企業のStarfieldと提携する。パティは大豆タンパク質を原料とし100gのカロリーはビーフの半分だ。HEYTEA公式アカウントのコメント欄には、「行こうと思ってた矢先に売り切れだと言われた」「すぐに売り切れちゃった」などの投稿が並ぶ。
人工肉には、植物肉と培養肉の二種類がある。前者は植物性タンパク質から作られ、後者は動物の幹細胞を培養して得る。後者はコストがかさむため、商業化されていない。そのため市場に出回る人工肉はほとんどが植物肉で、HEYTEAのチーズバーガーも植物肉だ。
企業検索ツール「天眼査(TianYanCha)」によれば、Starfieldは植物性人工肉の開発生産企業として2017年5月に設立され、現在は大豆を主原料として人工肉を製造している。今年3月には、「愉悦資本(Joy Capital)」や「マトリックス・パートナーズ・チャイナ(経緯中国)」などからプレシリーズAで数千万元(数億円)の資金調達を果たした。
人工肉の流行は、健康と環境への関心が高まっていることを示す。中国は世界有数の肉消費国なので、人工肉市場の動向は見逃せない。
飲食大手が植物肉製品を発売するのは珍しいことではない。この4月には,ケンタッキーフライドチキンとスターバックスで相次いで人工肉を使った食品が登場した。KFCの広州、深圳、上海の3店舗では「黄金鶏塊(ゴールデンチキンナゲット)」が、スタバでも「星善食主義」キャンペーンの一環として人工肉メニューがお目見えした。
中国の新型ドリンク店の中では「奈雪の茶(Nayuki)」が早くから人工肉を試験的に導入していた。2019年11月、奈雪の新業態「奈雪夢工場(NAYUKI’S FANTSY FACTORY)」が深圳でオープン、人工肉を使った3種類の商品は発売から1時間で売り切れとなった。
前線で戦う飲食店の活躍を見て、補給部隊とも言えるサプライヤーたちも色めきだってきた。早くから人工肉を扱っている「斉善食品(Whole Perfect Food)」「鴻昶生物科技(Hong Chang Biotechnology)」などに続き、「珍肉(Zhen Meat)」やStarfieldなどの新手も加わってきた。
発売とともに売り切れるとはまずまずのすべり出しだが、先はまだまだ長い。まずは味にうるさい中国人の舌を黙らせ、次に価格面でも大衆化を図る必要がある。その次に構えるのが政府だ。「人工肉は肉なのか」という政府の質問にどう答えるかが見ものだ。
(翻訳・近藤)
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