ライブ配信で15億円を売り上げた「Trip.com」創業者:コロナ禍が観光業界の改革にチャンス

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中国最大のオンライン旅行代理店「携程(Trip.com)」の創業者梁建章氏が、自ら観光宣伝のライブ配信を行っている。これまで6回のライブ配信イベントでの売上高は1億元(約15億円)に達した。

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新型コロナにより低迷している観光業は、ライブ配信で復活できるのだろうか。梁建章氏に話を伺った。(以下はその抜粋)

観光のプロが観光業を盛り上げる

新型コロナ禍で観光業は低迷しているが、今はむしろ客層を見直す重要な時期だと考える。中国国内の感染状況はひとまず落ち着き、このタイミングで魅力のある商品を出せれば、業界の回復期にチャンスを掴むことができる。

国内外の有名な観光地を熟知した観光のプロでなければ、旅行のライブ配信をうまくやるのは難しい。特に私たちが現在行っているのは主に高級ホテルの紹介であり、それらを大量に体験したことのある人物はすぐには見つからない。そこで私は自分で配信することにした。

高級ホテルの業績は平時の3割ほどしか回復しておらず、観光業の関係者全員で盛り上げなければならない。またこのような低迷した状況では商品の仕入れ価格が安くなるため、我々にとってチャンスでもある。

携程には完備した観光業のカスタマサービスシステム、仕入れシステム、受注システムがあり、ライブ配信と同時に販売することができる。そのため、我々が旅行のライブ配信を行う方が旅行代理店ではない他のプラットフォームがやるよりも効率がよい。社内ではすでにライブ配信を重点事業と位置づけており、今後長期的に続けていく可能性がある。

配信では割安かつ高品質の商品を提供することを約束する。これまでのユーザーのデータをもとに、私自身が実際に体験した優れたものを提供していく。現在の配信は江蘇省と浙江省が中心で、華南地方も少し含まれている。今後は人気の観光地である三亜市、貴州省での配信を予定しており、人気ランキング上位の都市を中心に拡大していきたい。

感染症が観光業のイノベーションにチャンス

現在の混迷した状況において、新たなチャンスやマーケティング方法がすでに生まれている。例えば、感染状況が深刻だった頃、旅行の予約を何回も変更・キャンセルしなければならない顧客が続出し、キャンセル数が平時の10倍になったこともあった。しかしそれらすべてをミスなく処理できたため、逆に顧客の好感度があがり、その効果はすでに表れている。

マーケティングにおいては、パッケージプランをより強く推していくことになる。食事、ホテル、観光地、入場券、レンタカーすべてが一つにまとまったプランだ。今後航空券を組み入れる可能性もある。そうなればより割安になるだろう。

中国ではもともとレジャーの売上高が少しずつ伸びており、経済活動が全面的に再開されれば、さらに急回復すると予想している。そうなれば、高級ホテルや個性的なホテルの人気が高まるだろう。私が配信で訪れたホテルのほとんどがここ数年の間に新規オープンしたもので、世界的に見てもトップクラスの品質を誇る。海外旅行に行けない現在、中国の富裕層はこれらのホテルの魅力に気づくだろう。

今後、観光業のイノベーションがより重要になる。例えば、不動産企業の多くが住宅への投資を減らし、代わりに観光施設に投資するようになっている。他業種からの参入で新しい観光の形や魅力が発掘されるだろう。これは業界全体にとって望ましいことだ。

(翻訳:小六)

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