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中国でライブ配信がブームとなり、アリババ傘下の「淘宝(タオバオ)」、テンセントの「騰訊看点」、「快手(Kuaishou、海外版はKwai)」「拼多多(Pinduoduo)」「京東(JD.com)」といったインターネット大手が様々な形で参入した。さらに、「抖音(Douyin、海外版はTikTok)」で著名人がライブコマースを開始したのに続き、百度(バイドゥ)もライブコマースを始めると発表している。
生活関連サービス大手の「美団点評(Meituan Dianping)」もこのトレンドに乗り、業界ウォッチャーによれば、インターネット大手で参入していないのはライドシェアの「滴滴出行(Didi Chuxing)」だけとなった。
美団は、閉鎖中の観光地や営業を再開した観光地を宣伝するため、観光チケット販売カテゴリーの「美団門票」で観光地のライブ配信を試験的に開始した。現在はテスト段階で、ライブ配信を通じて観光のポイントや入場の手順、観光地の衛生対策などを紹介している。
美団のライブ配信
美団は現在、グルメと観光を紹介する「旅行直播」と、生活サービス業従事者のデジタル化対応を目的とした美団大学の講師によるeラーニングの「袋鼠直播」という2種類のライブ配信を展開している。
「旅行直播」のトップ画面では、ライブ配信の予告と配信済みの動画を確認することができる。ライブ配信ルームでは、動画を見ながらコメントや評価を行うほか、配信者をフォローすることも可能だ。
また美団は、「旅行達人(エキスパート)」として「景点評論官(観光スポットコメンテイター)」「短視頻達人(ショート動画エキスパート)」「主播(ライブ配信者)」などを募集している。なかでもライブ配信者には、動画1本当たり300~8000元(約4500円~12万円)の基本報酬と視聴者数に応じた100~3000元(約1500円~4万5000円)のボーナスが支払われるほか、観光地の無料チケットや視聴者を増やすためのチャンネル宣伝も付いてくる。
一方の「袋鼠直播」は美団大学の講師が教えるeラーニングのライブ配信だ。
ライブ配信のエコシステム構築を急ぎながら「知識」「観光」という2つの切り口でライブ配信を開始した美団は、機運に乗じることができるのだろうか。
ライブコマースのエコシステム構築が急務
ライブコマースは画像や文字よりもユーザーに豊かな体験をもたらすため、今後はインターネット企業の運営およびエコシステム構築の標準装備となるだろう。
アナリストは、美団が多角的経営を目指すには、ライブコマースを早急に加える必要があるとの見方を示す。
フードデリバリーが中心の美団には、ビジネススタイルのブレークスルーが必要だ。タオバオ、抖音、快手、テンセントのライブ配信ではグルメ商品の販売も行っており、これが美団にとって目に見えないプレッシャーとなっている。
最近ではライブコマースを通じて、インフルエンサーがグルメ商品を短時間で大量に販売する事例が相次いだ。
ライブコマースは、ユーザーの視聴と購入を呼び込み、体験を提供する。いずれはユーザーの消費習慣が変化する可能性があり、美団などのプラットフォームにとっては参入が早ければ早いほど、経験を積んでその恩恵を享受できる。
オフライン業務と比べると、美団で獲得するトラフィックの価値は非常に大きい。美団でライブ配信を行えば宣伝コストを最小限に抑えられ、仮に1000人が視聴すれば自社の製品を大々的に宣伝できる。他の広告プラットフォームを使った場合は、より多くの宣伝コストがかかる。
質の高いライブコマースで多くの視聴と購入を呼び込めば、配信者はユーザー資源をプライベートトラフィックに転換することができる。一方の美団も、ユーザーが増えれば取引件数が多くなり、取引額と利益が拡大するため、双方にとってのウインウインが実現する。
「旅行直播」と「袋鼠直播」を開始した美団は今後もライブ配信を拡大していく見通しだ。何はともあれ、美団はライブ配信を成功させなければならない。
作者:Tech星球(ID:tech618)、陈桥辉、马微冰
(翻訳・神戸三四郎)
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