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10月8日、配車サービス大手の「嘀嗒出行(Dida Chuxing)」(以下「嘀嗒」と略称)が、香港証券取引所にIPOを申請した。「海通国際資本有限公司(Haitong International)」、「ノムラ・インターナショナル(香港)」が共同スポンサーを勤めた。
コンサルティング会社の「Frost & Sullivan」のレポートによると、2019年の利用回数で計算した場合、嘀嗒は中国のライドシェア(相乗りサービス)市場1位の66.5%のシェアを持つという。タクシーも含めたモビリティプラットフォームとしては、最大手の滴滴出行(DiDi)に次ぐ中国2位である。
目論見書によると、2017年〜2020年上半期(6月30日まで)の嘀嗒の相乗りサービス事業の総取引額は各期7億元(約110億円)、19億元(約290億円)、85億元(約1300億円)と33億元(約500億円)となった。
今年の6月30日現在、嘀嗒は中国366都市で相乗りサービスを運営しており、1920万人の運転手が登録している。累計の利用者数は3670万人で、月間アクティブユーザーの平均は1470万人である。
タクシー事業では、今年6月30日現在、嘀嗒は中国の86都市でタクシーのネット配車サービスを運営し、うち17都市のタクシー協会と戦略的提携を行っている。また、同社は2018年8月にタクシー会社向けに、車両管理や事務の効率化のためのクラウドプラットフォームを提供している。このプラットフォームを利用している会社は、今年9月28日時点で55都市の約700社となっている。
嘀嗒の売り上げは、相乗りサービスを提供する運転手から徴収した手数料が中心である。また、2019年8月以降、タクシー会社からも手数料を徴収している。ほかには、広告収入などがある。
財務データを見ると、2019年、嘀嗒のすべてのプラットフォームを合計した総取引額は110億元(約1700億円)だった。2017〜2019年の3年間の売上高は、それぞれ4900万元(約7億4000万円)、1.18億元(約18億円)、5.81億元(約87億円)となった。
ライドシェア業界では、奨励金や車両保有のコストが会社の重荷となることが多いが、嘀嗒は車両を購入・リースすることはなく、車両に関する費用が全く発生しないという。奨励金も同業他社と比較すれば極わずかで、同社の売上高に対する奨励金の比率は、2019年に4.6%、2020年上半期に0.03%にまで下がった。
こうしたアセットライト、低変動費用のビジネスモデルによって、嘀嗒は2019年から調整後利益が黒字化した。2019年と2020年上半期の調整後利益は1.72億元(約26億円)と1.51億元(約23億円)となり、利益率は29.7%と48.6%である。
持株比率では、嘀嗒の経営陣の持株比率が34.43%で、議決権の50%を占める。上場後は、経営陣が議決権の約73.57%を保有することができる。機関投資家には「蔚来資本(NIO Capital)」、「IDG」、「崇徳投資(China Renaissance Capital Investment)」、「易車(easyCar)」、「高瓴資本(Hillhouse Capital)」、「京東(JD.com)」、「携程(Trip.com Group)」が名を連ね、持株比率はそれぞれ21.60%、10.23%、7.15%、4.95%、4.14%、4.14%、2.86%である。
今後の戦略について、嘀嗒はライドシェア(相乗りサービス)市場1位の座をさらに固めた上で、タクシー業界のデジタル・トランスフォーメーションの推進、収益化手段の多角化、技術開発、コンソーシアム・出資・M&Aなどによる他社との提携の強化などに取り組みたいとしている。
(翻訳:小六)
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